こどもの心と体の成長過程に応じた 英語教育の重要性高まる

外国人講師に興味津々。好奇心溢れる表情で反応するこどもたち

 情報社会が発展する中、世界各国との距離が縮まっています。2016年度の訪日外国人数は2,400万人、日本人出国数1,700人と増加傾向にあり、東京オリンピックに向けて、グローバル教育や英語教育への関心は、さらに高まっていきそうです。

 楽天リサーチ(株)が2016年に実施した「日本人の英語に関する意識調査」(20代〜60代の男女1000人対象)によると、「英語は苦手」との回答が7割に達しました。その一方で、「ママ900人に聞いた、習っている・習わせたいお稽古ごとランキング」(ケイコとマナブドットネットによる調査)で、水泳やピアノと並び、ベスト3の常連になっているのが英語・英会話です。こうしたデータからも、こどもたちには幼児期から英語に親しませたいと考える保護者が多いことが伺えます。

 幼児教育のパイオニアである(株)ジャクパは、体育指導に加え、1995年より英会話教育に着手。正課と課外で園にネイティブスピーカーを派遣しています。ジャクパが目指すのは、こどもたちが英語を大好きになること。外国人講師は英語のみのコミュニケーション型レッスンで言葉と心のキャッチボールをします。体を動かしたり歌ったりすることはもちろん、植物を育てたり、ペットの世話やおうちのお手伝いをしたりするなど日常生活に応じたテーマを導入することで、こどもたちが主体的に英語に親しみ、吸収をしていける場となっています。

 そこで活かされるのは、体育指導で培った幼児の成長をサポートするノウハウ。ジャクパでは、幼児がものごとに興味を持ち、好奇心の向くまま楽しめるようにするにはどうしたら良いかを外国人講師にも共有しているのが特徴です。

こどもの目線で自らも楽しむ講師
こどもの目線で自らも楽しむ講師

 同事業を担当する大寄隆介氏は、「自分も幼児期にネイティブスピーカーに英語を学んだ。その経験の楽しい記憶が英語を得意と感じさせ、今の仕事に繋がった」と語ります。保護者からは、英会話を学ぶようになって、「恥ずかしがりやを克服して積極的にお友だちと関わることができるようになった」「電車内の外国人の会話に興味を持つようになった」「困っている外国人に道を教えてあげた」など、こどもたちの頼もしい変化が多数報告されています。

 三井光浩常務取締役は、「英語を学ぶことはコミュニケーションを学ぶということ。英語に触れ合う時間は2000時間必要だと言われているが、正課と課外のレッスンがあっても、それ以外は日本語の世界。だから、家庭では1日5分でもかまわないので、プリントで配布する英語の歌をお風呂で歌ったり、寝る前に絵本を英語で読み聞かせたりすることを小さな習慣としてほしい」と語ります。

 三井氏によると、こどもたちは外国人講師の言葉を百%理解できなくても、相手が何を言わんとしているかを想像し、掴み、確認し、自身の言いたいことを伝える力を全身で学んでいくのだと言います。国際人として不可欠となったグローバルコミュニケーション力。これをこどもたちの日常空間で自然に養う環境づくりを、園と家庭で連携して構築したいものです。

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執筆者
八木侑子

2・4面担当のパステルIT新聞編集スタッフ。ライティングだけでなくデザインも担当しています。

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