増加する保育業界M&Aの今 第1弾・日本全体の課題

執筆者
西森裕起

株式会社fundbookのM&Aアドバイザー。保育業界専門チームに所属し、想いを紡ぎ発展させるM&A(資本提携)を支援。

 長らく、園の数は増加を続ける保育業界ですが、慢性的な保育士不足の解消は目途が立たたない中、折しも理事長や園長の後継者問題も顕著になってきおり同業界も大きな転換点を迎えています。一方でこれらの課題を解決する策の1つとして保育業界でもM&Aという選択をされる経営者が増加してきています。

 同業界の経営者の中にはM&Aと聞くと未だ「乗っ取り」であったり「身売り」のようなイメージを持たれる方も多いように思います。ですが、これらは完全に誤った古い認識と言わざるをえません。なぜならば、日本は未曽有の超高齢者社会に突入しており、経済産業省の発表によると70歳以上の経営者が245万人、その半数の127万社に後継者が不足しています。決して、後継者問題は保育業界のものだけではなく日本全体の問題となっているのです。

 中小企業庁ではM&Aを推進しており、「事業承継・引継ぎ補助金」という形で具体的な支援策まで打ち出しています。一方で、後継者問題はなぜ増え続けているのかの背景について第2弾9月号のコラムにてご紹介させていただきます。

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