宮久保幼稚園がWebを活用し始めたのは2019年から。最初は、入園見学会と説明会でのオンラインの活用でした。それまでは、ホームページに掲載した案内を見た保護者が電話で申し込むという流れ。個人情報開示への保護者の抵抗感を懸念し、受付対応は依然アナログ(電話)のままでした。
「園に2度(入園見学会と説明会)、足を運んでもらうのは、小さなお子さんのいる保護者にとって大変なこと。これまでの方法を変えたいと思っていた」
吉原正実園長は昨年、電話受付に加え、ホームページの申込フォームからの受付を可能にし、名前やメールアドレスなどを入力して申し込んだ保護者には、園の方針や様子がわかる動画を事前に共有することで、それまで別日に行っていた見学会と説明会を同時に行えるようにしました。
すると、吉原園長の心配もよそに保護者の半数以上がフォームからの申し込み。オンライン説明会に手ごたえを感じたそうです。
2020年はコロナ感染予防のため、フォームからの申込に限定。事前に園の紹介動画を視聴した保護者に対してビデオ会議ツール「Zoom」を使った説明会を実施し、それを元に見学会を行いました。さらに、Webを活用した園児募集・人材募集を本格的に始めるにあたり、園内の通信速度を見直し、セキュリティ強化のためUTMも導入しました。
保護者と共有する動画は吉原園長のお手製。
『おとなは、だれも、はじめは子どもだった。しかし、そのことを忘れずにいるおとなはいくらもいない』
『星の王子さま』のプロローグから始まる約10分間の動画は、同園が大切にしている想いと子どもたちの笑顔の写真が続き、これからの園生活が楽しみになるような仕立てです。
「これまでの見学会は説明を含めて1時間半かかっていた。事前に動画共有やオンライン説明会を行っているため、園内の保育の様子を1時間じっくり見ていただける」
さらに、自宅から参加できるオンライン説明会は、保護者とのコミュニケーションにおいても副次的な効果もありました。子どもを寝かしつけたり、遊ばせたりしながら参加できることから、保護者にゆとりが生まれ、質問も話題も広がりやすかったそうです。
受け身ではなく、園からアプローチを
「関東での就職を考えている。Web就職説明会に参加したい」
6月中旬、同園のもとに届いた問い合わせは、ホームページに掲載した「Web就職説明会」を見た大阪の大学生からでした。
「今までの採用活動では考えられなかったこと。可能性を感じたと同時に、関東での就職を考えている学生の目に留まるようなものをつくっていかないといけないと思った」と吉原園長。
その学生とは、誕生会や行事の動画をアップした時など、定期的にコンタクトを取っているそうです。アプローチをすればするほど理解度が深まり、ファンづくりと実際にZoomを使って面談をする時のフォローアップのしやすさにもつながっています。
オンラインを活用した園児募集・人材募集の取り組みついて吉原園長は、「これからの園は密にならないような適正人数で、Webを活用しながら楽しい保育を実践していくことが必要。案ずるより産むが易し。新しい幼稚園を目指していきたい」と教えてくれました。
専門家の声
これからは顧客ではなく、ファンが集う園であることが重要です。ファンが集うためには出会いが大切です。出会いのきっかけはWebが主流になりました。Webを使って、宮久保幼稚園のような距離を超えた新たな出会いを創造しましょう。否定することなく、躊躇することなくWebを使いましょう。吉原先生の言葉通り「案ずるより産むが易し」です。まずWeb上に採用情報を掲載し、動画を作りましょう!
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