はまようちえんでは、縦割り保育で0~5歳の園児たちが同じ空間で過ごします。朝一番に自分がしたいことを自分で決めて園生活を始めます。「0~2歳児も自分の好きなことを選択して生活している。年上の園児の姿を見て給食をおかわりしたり、外に出ようと帽子を取り出したりするのは日常的」と語るのは、樋口詩菜先生です。昔と比べて管理される状況が増えた今の時代だからこそ、園は子どもたちが自由に過ごせる空間・時間でありたいという想いがその保育体制に表れています。
「快適ではない”不”がつく環境で、今しかできないことを経験し、成長のきっかけにしてほしい。自分で選択することができない大人にならないよう、自分の人生は自分で決めるということを日常で覚えてほしい」と秦賢志理事長は語ります。
そのような保育スタイルが実現できているのは、保護者の理解があるからこそ。同園では、園での出来事や園児の写真を、毎日のようにWebサイトやSNSで積極的に発信しています。「幼児教育の重要性を社会や地域に知ってもらうこと、そのために情報を開示していくことは、園の使命の一つ」という秦理事長の考えは入園説明会でも語られ、それに共感した保護者が入園を希望します。
さらに、毎月作成される「ポートフォリオ(成長の記録)」は複数の職員が日々のチーム保育での見取りをもとに意見を出し合い、保護者と共有しています。以前までは写真を切り貼りして手書きで作成していましたが、今では制作から保管まですべてデータ化し、園児のデータベースと連携して一元管理をすることにしました。これにより、保護者や地域、そして、全職員への情報共有が行き届き、園児たちを育み、支える環境へとつながっているようです。
印刷物を通した情報の伝達も大切
保護者に配布する印刷物は、年間約450種類。原稿の作成には自由に文字や画像をレイアウトできる専門ソフトを使用しています。情報を的確に伝えることを大切にしているため、重要な項目の文字には色付けをし、印刷はすべてカラーです。そこでカラープリントのコストを気にせず、効率的に仕事ができるように導入したのが、理想科学工業株式会社の高速カラープリンター「オルフィスGD」でした。「オルフィスは必要なときにすぐに印刷ができるので、情報伝達のスピードアップにも役立っている。また、保護者への情報共有においては、ペーパーレス化は難しいと思う。デジタル化する便利さもわかるが、印刷して手元に置いておく紙の良さも情報を的確に伝える上では大切」と秦理事長は語ります。ITを積極的に活用しながらも、印刷物の特性を活かして保護者の理解を深めている好事例です。