少子化傾向を見据えて情報発信を工夫 「深い思考」を促す印刷物の活用

引用:内閣府「平成30年度
少子化の状況及び少子化への
対処施策への概況」
(内、上位3県と平均を
下回った都道府県)
 少子化や保育者不足が続く中、保護者や保育者に選ばれる園づくりが急務となっています。そうした状況で、都内で「らしさ」を追求し、情報発信するめぐみ幼稚園を取材しました。

厚生労働省が発表している「人口動態統計の年間推計」によると、出生数は2017年に約94万6千人、2018年に約92万1千人と年々減っており、2018年は過去最低を記録しています。特に地方ではこうした少子化の影響は大きく、園児確保のために情報発信を工夫する園の話をよく耳にします。例えば、園での取り組みを毎日ホームぺージやSNSで公開したり、地域住民とも交流を深められるバザーなどのイベントを積極的に実施したり。これは、地域やまわりの人々を巻き込みながら子どもたちの成長を支える、より良い環境づくりにもつながっています。

そうした中、東京都心では未だ待機児童の減少に励んでいる状況。地方ほど、少子化の影響を受けていません。しかし、内閣府が発表した「令和元年版少子化社会対策白書」の合計特殊出生率(左記グラフ)では、東京都は全国平均の数値を下回り、最低の数値となっています。いずれ東京都にも、少子化の波が押し寄せるということは明らか。時代の流れを捉え、求められる園づくりを早急に考えていかなければならない状況は、地方とそう変わりません。こうした流れを予測し、都心でも、他とは異なる「らしさ」を追求し、情報発信をしている園があります。

開放感ある園庭 のびのびと生活

見晴らしの良い園庭にて、みんなでカレーを食べるカレーパーティーを毎年実施。カレーの具は、園内の畑で収穫された野菜をつかっている

大森めぐみ教会附属めぐみ幼稚園(東京都大田区)は、1階に事務室、2階に礼拝堂、3階にホールやクラスルームを配置した3階建て構造の幼稚園です。3階の中心には、広い芝生の園庭があり、そのまわりを囲むように、クラスルームの建物が複数あります。それは、まるで1つの町のよう。高台の立地が活かされ、園庭からは都内の街並みが一望でき、土地の面積が限られていても開放感があります。この園庭は、同園の活動でメインスペースとなる場所。毎朝の自由時間には子どもたちが駆け回り、特別なイベントでは机を外に並べて、みんなでカレーを食べます。天井のない空間で過ごす時間は、子どもたちをのびのびと成長させてくれるもの。こうした独自の活動や教育方針は、日常的におたよりを通して保護者に伝達されています。

教育には情報発信が大事「思考」に紙を重視

カラーの写真で目を引くおたより

「教育には情報発信が大事。子どもたちの成長を支えるためには、教育で何を大事にしているかをきちんと保護者に伝える必要がある。空間づくりだけでなく、園での教育と家庭での教育を一致させることで、子どもたちはのびのびと成長できる」と語るのは、関川泰寛園長です。SNSの時代に紙媒体のおたよりを大切にするのは、発信する内容に意味があるからだと、関川園長は続けます。「子どもたちが絵本を読むのと同じように、きちんと考えてもらう文章を発信する際には、紙媒体が適している。全体を見ながら内容を思考して解釈し、『読む』ことにつながる。深く思考させないような、単なる情報であればスマートフォンなど便利なデジタルツールで確認すれば良いと思うが、教育に関する情報発信には紙を使うようにしている」と関川園長は語ります。

同園では、園全体の教育方針や活動を伝えるおたより、各園児にクローズアップして成長を伝える学年ごとのおたより、父母会や教会のお知らせなど、毎月発行する印刷物を多く抱えています。大量の印刷物のコストを気にして、以前はモノクロ印刷が主流でしたが、カラーによる情報発信力の高さに注目し、同園長が就任した7年前から印刷物をカラーでプリントするようになりました。「活字離れと言われている中で、保護者に読んでもらうために、カラー写真で関心を引く工夫をしている。現在使っているプリンターは、カラーの色合いがきれいでやわらかい印象に出力されて気に入っている」と語るのは、おたよりの編集を担当する関川瑞恵副園長です。使用しているプリンターは、理想科学工業が提供するオルフィスGD。カラープリントのコストを抑えながら、印刷時間の節約にもつながることにメリットを感じ、活用しています。

理想科学工業では、全国各地の園に訪問し、オルフィスを体感できるデモバスサービスを実施中。事務職員や保育者など職員全員でオルフィスを体感することで、より具体的な使用シーンをイメージできます。

大森めぐみ教会附属めぐみ幼稚園
理想科学工業株式会社

執筆者
八木侑子

2・4面担当のパステルIT新聞編集スタッフ。ライティングだけでなくデザインも担当しています。

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