理念そのままに持続的な園経営支援
ありたい園の姿 M&A支援で実現

厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ」より抜粋
 厚労省の調査によると、令和4年度の待機児童数は2944名と直近6年で約9分の1に減少。止まらない少子化や定員割れに悩む園が増える中、持続的な園づくりや経営多角化の一手にM&Aが注目されています。

 「20年前と人口動態が様変わりした地域もある。人口が減り税収も減る中で、今後も当たり前のように補助金が出るという前提はいずれ通用しなくなる」

 そう警鐘を鳴らすのは、M&A仲介サービスを展開する㈱fundbookの谷口取締役です。長年、医療や介護、社会福祉法人のM&A支援を行ってきた谷口氏は、かつて医療業界でM&Aによる組織再編が起きた当時と今の保育業界の状況は類似点があるといいます。

 「医療業界におけるM&Aは今でこそ浸透してきたが、15年ほど前は経営者が後継者不在や事業継続に悩む反面、生活を支えるインフラである病院のM&Aに批判的な印象を抱く人が多かった」

谷口取締役

 
 少子化で定員割れに悩む園が増える今、谷口氏には〝再編が起きる前夜”のような感覚があるといいます。

 そこで同社は、2022年10月に保育専門のM&Aチームを発足。特徴は、業界の動向や法制度、課題を熟知したアドバイザーによるサポートと豊富なネットワークです。さらに、譲受側が募集中の譲渡案件を閲覧できるプラットフォームがあり、そこではアドバイザーが思いもかけないようなご縁が生まれることも。

 「例えば、保育園を経営する譲渡法人と、学童や児童発達支援、就労支援などを行う譲受法人のマッチング。“教育から就労までを総合的に支援する法人をつくりたい”という譲渡側のビジョンをまさに実現するような事業を行っていた法人が手を挙げてくれた」とアドバイザーの西森氏。「ビジョンを実現する上での時間や費用、ノウハウ不足を補えるだけでなく、保育士のキャリアパスも広がる事例」と続けます。

 「M&Aは園の維持・成長のための選択肢の一つ」

 幼稚園・保育園・こども園三つ巴時代とも呼ばれる今、保護者や地域のニーズに応える経営手法として、M&Aの動きがますます活発になりそうです。

M&A支援範囲は全国。親族承継・従業員承継の相談も可能
株式会社fundbook(東京都)

審査をクリアした譲渡案件を紹介するM&Aプラットフォームと業界に特化したアドバイザーによるサポートで、譲渡側・譲受側双方にとって最適なM&Aを支援。

執筆者
服部由実

編集長。企画・取材を担当。IT企業の広報部門に所属し、社外広報や採用活動に取り組んでいます。

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