保育・園経営・子育て支援のヒント求め 異業種人材と積極的に交流

つるみね保育園 杉本園長の「ストーリーテリング・セッション」。話を聴いた後に、各グループ内で誰かがそのストーリーを語り直して掘り下げていく
子ども・子育て支援新制度の導入や女性活躍推進法の成立に伴い、保育・教育現場の課題は社会的にクローズアップされるようになりました。同時に、その課題解決に挑む人々がつながりあい、未来を語る場も増えてきています。

「子育て未来座」で発想を柔軟に

 1月19日、ICTを活用した保育サービス事業を手掛ける(株)リクルートマーケティングパートナーズ(以下、RMP)は、(一社)静岡県私立幼稚園協会との協働開催で「次世代リーダー養成研修会」として「子育て未来座」を開催しました。RMPのオフィス内にある、カフェのような空間を会場に、園関係者、教育・保育関連企業やNPO関係者など約50名が、「子育ての未来」をテーマに「ワールド・カフェ」に取り組みました。

保育・園経営・子育て支援のヒント求め 異業種人材と積極的に交流
気づきは付箋紙に書き留めていく

 「ワールド・カフェ」とはカフェのような空間でリラックスして話し合い、創造性に富んだアイデアを生み出すための手法。ここではグループ内で今の気持ちを伝え合う「チェックイン」に始まり、語り手のストーリーに耳を傾けた後にその話を語り直す「ストーリーテリング・セッション」、そして子育ての未来を考える「ワールドカフェ・セッション」へと進んでいきました。参加者の大半は、こうした話し合いの手法を始めて経験するという状況でしたが、徐々にコミュニケーションも活発に。模造紙や付箋紙にも様々な気づきやアイデアがメモされていき、最後はグループ発表を通じて全体にアイデアのシェアがなされました。この会を企画・主宰したRMPの森脇氏は「領域は違えど、子どもたちの未来のために築きたい社会や、教育者としてありたい姿の本質は同じだと改めてわかった」と語りました。

ICT教育先駆者が集う

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自園でのICT活用事例をシェア

 同日の夕方、東京大学では(株)スマートエデュケーションの池谷社長と東京大学大学院の山内教授、そしてICT教育の先駆者と言える、つるみね保育園、聖愛幼稚園、早翠学園、コビープリスクールよしかわなど計8園の関係者が集まり、ICT教育の実践例と今後を語る定例会が開かれていました。

 参加していた8園は、スマートエデュケーションが園向けに開発したICT教育カリキュラム「こどもモードKitS」を活用しながらも、すでに独自の教育理念のもとに様々なICT教育を試みています。池谷社長からは新しいアプリの開発状況やコンセプト、今後の計画などが語られていました。参加者は、自らの取り組みを振り返りながら、さらに他園の取り組みに刺激を受けて、また新たなアイデアがひらめいている様子でした。

 時代の流れの中で変革を求められている今、ときにはこれまでと違った空間に身を置き、新しい手法、新しい仲間たちと関わり、学ぶことも必要かもしれません。

リクルートマーケティングパートナーズ「未来座」
執筆者
八木侑子

2・4面担当のパステルIT新聞編集スタッフ。ライティングだけでなくデザインも担当しています。

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