教材や文具などの用品販売事務は、先生の日常業務。しかし、現金の取り扱いには慎重さが求められ、保護者からの問い合わせにも時間を奪われます。多くの先生たちが、保育の合間に行う事務処理で、ミスをせず、保護者とのトラブルも起こさないようにと大変な気遣いをしていました。
そこで、北越谷幼稚園では昨年7月、用品注文システム「ママタッチ」を導入しました。これは大阪市の株式会社アプロが提供するシステム。同園では玄関にタッチパネルとチケット発券機を設置。保護者にはバーコード付きの保護者カードを配布しました。これにより、用品の購入と預かり保育「ハッピークラブ」の精算ができるようになりました。操作はいたってシンプル。保護者は画面の案内に従って商品を選び、サイズや数量を指定、金額を確認後、保護者カードをかざします。あとは出力されたレシートと商品を事務室で交換してもらうだけ。支払いは保育料などと一緒に自動振替となります。事務職員はパソコンで注文状況の確認、仕入れ・在庫管理、銀行振替データ作成、請求処理を行います。
また、同システムは携帯電話やパソコンからのネット注文も可能。タッチパネルとネットの利用比率は半々の状況です。システムの導入により、職員が介在することなく、キャッシュレスで用品販売ができるようになりました。「保護者の利便性も向上し、事務負担も大幅に削減できた。コストも月額運用費以上の削減ができた。さらに、現金による集金業務をなくしたことで、職員の物理的・心理的負担を減らせたことを実感している。この成果が大きい」と佐藤氏は語ります。
毎月各園児に「成長の記録」
情報発信にも積極的な同園。更新可能な仕組みを持つWebサイトの他、ブログやフェイスブックも運営中です。閲覧状況を数値で確認できる「アクセス解析ツール」も利用中。佐藤氏によれば「園のWebサイトの閲覧者は1日100~150人ほど。そのうち7割はスマートフォンからのアクセス」とのこと。閲覧者の行動を分析し、運営に工夫を凝らします。クラスだよりは手書き、事務おたよりはパソコンで作成。園児の日々の成長を保護者とともに喜び合うために、園児の写真と先生のコメントを記した「成長の記録」は毎月配布中です。(左写真参照)
北越谷幼稚園の「合言葉」は「Smile&Peace」。これには園児・保護者が笑顔と安心を感じる園でありたいという想いが込められています。業務のシステム化も保護者との情報共有も、まずは職員が心に余裕を持ち、笑顔になれるための仕組みとして考えたいものです。