輻射式冷暖房で省エネ推進 時代と快適さを意識

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保育室には壁に取り付けるタイプの「ecowinハイブリッド」を導入
同園ではこの1台で約40平米の範囲の熱を吸熱・伝播することができる
 内閣府が実施する「SDGs未来都市」に選定されている新潟県妙高市。2022年4月、同市に開園した新井あおぞら保育園は環境や人にやさしい園をつくろうと、輻射式冷暖房システム「ecowinハイブリッド」を導入しました。

 2022年4月、新潟県妙高市内3園を統合し、新井あおぞら保育園は開園しました。開園にあたり2月に開催した内覧会には、未就園児の保護者や地域住民を中心に約100名が参加。園内を見学する参加者の目に留まったもののひとつが、同園が導入した輻射式冷暖房システム「ecowinハイブリッド」です。

 ecowinハイブリッドは、熱が物質を介さずに温度が高いところから低いところへ伝わる原理(輻射)を利用した冷暖房システム。エアコンのように空気を対流させる空調方式とは異なり、輻射パネルの表面(発熱体)が冷えることで人や物(床や壁などの空間全体)の熱を吸熱、または輻射パネルの表面が熱くなることで人や物へ熱を伝播させる空調方式です。エアコン特有の足もとが暖まりづらいといったことがなく、冬は春の陽だまりのような暖かさで、逆に夏は蔵や鍾乳洞に入ったときのような涼しさを感じることができ、体感温度が設定温度2~5度変わることが特長。輻射パネルは対流式に比べて熱交換効率も高く、10台のエアコンを必要とする施設の場合、同パネルを接続することでエアコンの台数を6~7台に減らすことができるなど、省エネ性も優れています。

 同園は保育室や事務室、遊戯室、調理室など、園内の全部屋にecowinハイブリッドを導入(全27台)。背景には、SDGsへの高い意識がありました。

 園がある妙高市は、人と自然が共生する持続可能なまちづくりの取り組みが評価され、内閣府が実施する「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」に選定されています。近隣には、地中熱や太陽光などの再生可能エネルギーを活用した施設もあり、新井あおぞら保育園を設計する際も再生可能エネルギーを取り入れた園づくりが視野に入れられていました。

 そうした想いがあったからこそ、ecowinシリーズの省エネ性はとても魅力的だったと妙高市教育委員会こども教育課の丸山裕治さんはいいます。

 「部屋によるが、通常より低い温度設定(19度)でも十分暖かい。耐久性もよく、自然エネルギーにとらわれずとも電気使用量を永続的に抑えられると直感した」

 熱源機に市販のエアコンを使用する同製品は、輻射パネル自体に電源や動力が一切かからず、エアコンの冷媒ガスや微風を活用できるため、従来の冷温水式の輻射パネルに比べて立ち上がりも早く、さらなる省エネが期待できます。

 加えて、床暖房のように不凍液の注入などの作業を保育者が行う必要がなく、保育者が本来の保育に集中できる環境をつくれることも魅力。丸山さんは、「子どもたちはもちろん、先生たちにも快適に過ごしてもらいたい」と続けます。

持続可能性を意識した園づくり

輻射パネルは無風で飛沫感染防止に効果的(エアコンは微風あり)

 同園では、未満児だけでなく3歳児以上の保育室にもecowinハイブリッドを導入しています。その理由について丸山さんは、「空気を冷やしたり暖めたりするわけではないので、換気によって温度が急激に上下することがない。省エネに加え、今までよりも遠慮せずに換気できるようになり、コロナに限らず様々な感染症の対策にもなる。そこに全部屋にecowinを導入する意義がある」といいます。

 同製品を提供する㈱エコファクトリーでは、他に既存のエアコンの給気口に接続するだけで、窓を閉め切った状態で外気を冷却・除湿・加温・除塵して取り込むecowinエアーや抗ウイルス効果試験済みのecowinフィルターの販売を展開。

 「園はふれあいが大事な時期のお子さんを預かる場所。本来はディスタンスを取らない方が望ましい。換気という側面からも園内環境を整えていけたら」と丸山さん。今後、新井あおぞら保育園がecowinを活用する中で環境整備や省エネ化のモデルとなれば、他の市内公立園にもecowinを導入予定。持続可能性を意識した園づくりから「妙高公立園のスタンダード」が生み出されようとしています。

新井あおぞら保育園(新潟県)

2022年4月開園。妙高市の3つの保育園が統合し、現在約140名の園児が在籍。園名は、「晴れ渡る青空のような、さわやかな笑顔が続くように」と名付けられた。

株式会社エコファクトリー
執筆者
服部由実

編集長。企画・取材を担当。IT企業の広報部門に所属し、社外広報や採用活動に取り組んでいます。

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