オンライン採用を軸に市が人材確保支援

保育士・幼稚園教諭の働きやすい職場づくりのための手引書を掲げる 児童課の主幹 兼 子育て政策係長 青嶋和徳さん(左)と主査 伊藤渉さん(右)
静岡県藤枝市は平成29年度から保育士・幼稚園教諭の働きやすい職場づくりを推進。4年目を迎える同事業は県からも高く評価され、モデル事業として注目を集めています。

 静岡県藤枝市は、県中部に位置する自然豊かなまち。温暖な気候で心地よいまちではあるものの、Uターン率が低く、特に若い女性の流出傾向が高いという課題を抱えていました。

 「若者の雇用の創出や待機児童対策は喫緊の課題でした。保育士の人材確保と働き方改革の推進によって、若者にとって働きやすい職場、働き続けられる職場を創出できないかと思ってはじめたのが、この保育士・幼稚園教諭の働きやすい職場づくり事業です」

 そう教えてくれたのは、健康福祉部児童課の青嶋和徳さん。初年度(平成29年度)は、市内60園の幹部職員と現役職員約800名に対し、アンケート調査を実施。働きやすい職場づくりには、「健康管理・メンタルケア」「職員を承認・称賛、感謝の想いを伝える」「職員間のよりよいコミュニケーション」といった全10項目が、保育者の職場への満足度に関係していることがわかりました。

 このように職場づくりには多様な要素が含まれることを受け、平成30年度・令和元年度には、市内全園を訪問し、園の良いところを可視化するワークショップを実施。園の自慢できるところを見つけ伸ばしていくことを働きやすい職場づくりの第一歩とし、そこで挙げられた取り組みや保育者の声は、「保育士・幼稚園教諭の働きやすい職場づくりのための手引書」にまとめ、全園に共有しました。

 「これまでに開催したセミナーでも、参加者同士がそれぞれの園の取り組みを共有する時間がありましたが、その時、『同じ市内であっても横のつながりはまだまだない』ということを実感しました。各園の職場づくりの工夫を知ることが他園の新たなチャレンジにつながったらうれしいですね」と青嶋さん。

 手引書は、市内園が閲覧・投稿できる専用SNSでも公開。プラットフォームとして、継続した情報共有の場づくりにつなげます。

各園のオンライン採用を後押し

令和2年度は各園の人材確保を目的に、施設区分ごとのプロモーション動画の制作や、園自らが動画を制作できるようになるためのサポート研修、Zoomでの面接や説明会の開催支援を行います。

SNSで動画制作のためテキストを共有

 園が制作した動画は、市内園の求人情報等を掲載する人財バンク「enjobふじえだ」などに公開予定。コロナ禍で園見学や集団面接が難しい中、動画による園の魅力発信やオンライン保育、オンライン採用への取り組みを支援します。

 「実際に人財バンクで求人を見つけても、園に直接連絡をするのは敷居が高いようで、園の雰囲気や評判ついて市に問い合わせをいただくこともあります」と青嶋さん。同課の伊藤渉さんも、「今年度は、園が学校に求人を出しても学生の反応が少ない状況。オンラインで継続して情報発信することが人材確保に欠かせなくなってきていると感じます」と続けます。

 県の支援のもと続けてきた同事業は今年で4年目。ICTの推進が盛んな同市のこの取り組みは、他市町における働きやすい職場づくりのモデル事業としても注目を集めています。「人材確保は園共通の課題。人材確保の強化と働きやすい職場づくりを推進していきたい」と教えてくれました。

執筆者
服部由実

取材・執筆を担当。保育士経験のあるスタッフと相談しながら“活用しやすいITツール“を発信しています。

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