おむつのサブスクリプションサービス活用 より心のこもった保育へ

各園児のおむつがわかるように、ラックには名前を付けて整理されている(上)同園ではおむつとおしり拭きが1カ月に1度のペースで発送されてくる運用(左下)
0~2歳児の保育で発生する各園児のおむつの管理は、保育者にとって負担になっている園も多いのではないでしょうか。それが簡素化できる上、保護者にとっても嬉しい、新しいサービスが登場しました。

 レイモンド下高井戸保育園(東京都杉並区)は2019年4月に開園し、現在0歳児が3名、1歳児が14名、2歳児が8名在園しています。やさしい自然光が入る大きな窓、ぬくもりある木の壁と床、天井には雲のように薄い布が張られ、ゆったりとした空間の中、園児たちは安心してお昼寝をしています。お昼寝も終わりがけの頃、1人そして2人と園児が起き、保育者が補助する中、隣の部屋でおむつを替えます。傍らのラックに並んでいるのは、何種類ものおむつ。誰がどれを使うのかを把握した上で、保育者はおむつを手に取ります。

 このおむつの管理は、保育者にとって負担になっている業務の1つ。園児ごとに使うものを間違えないように気を配り、保護者から預かった分が足りなくなった場合は園で用意したおむつを貸し出して、後日同じサイズのものを持参するよう保護者に依頼します。そこにかかる労力(精神的なものも含めて)と時間は、保育者にとっては大きいもの。この負担を軽減すべく同園が導入したのが、ユニ・チャーム株式会社(東京都港区)とBABY JOB株式会社(大阪府大阪市)が共同提供するおむつのサブスクリプションサービス(製品やサービスなどの一定期間の利用に対して代金を支払う新しいビジネスモデルのサービス)です。

おむつのサブスクリプションサービス概要図

同サービスは、契約した園の保護者が利用を希望する場合、保護者が直接Webサイトから登録して定額料金を支払います。そうすると、園には登録した子ども分のおむつが定期的に届けられるしくみです(図参照)。同サービスはこの7月にリリースされたばかり。現在、同園では2歳児までの在園児25名中、13名が利用しています。

 「保育者には、子どもと接する心のこもった保育に一番力を入れてほしい。それ以外の仕事はなるべく効率的になると良いと思っていた。利用園児は現在半数なので、今は本当の業務負担軽減への道すがら」と語るのは、同園の大野じゅん園長です。

園や保護者の「不便」を解消

「手ぶら登園」https://tebura-touen.com/

 同サービスのコンセプトは「手ぶら登園」。保護者がより子どもを気にかけ、手をつないで登園できるように、気を取られてしまう多くのモノを持参しないで済むことを目指しています。これまで、おむつの中の「不快」を「快」に変えるよう尽力してきたユニ・チャームが、おむつの外でも「不便」や「不都合」が多く発生している保護者と園の現状を知り、自社に何ができるかを考えて生まれたのが同サービスです。最初は、保護者の不便を解消するために考案されたサービスでしたが、保育所を展開するホールディングス傘下のBABY JOBと共同開発を進める中で、保育者の業務負担の軽減にもつながるものになりました。

 現在は、すでに全国100カ園近くで利用されているとのこと。保護者と保育者両者の「不」を解消するために普及が期待される「手ぶら登園」サービスに注目です。

手ぶら登園
執筆者
八木侑子

2・4面担当のパステルIT新聞編集スタッフ。ライティングだけでなくデザインも担当しています。

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