人の筋肉を支えて重い荷物を持つときの負担を軽減させてくれたり、人間が入れない場所に入って映像を中継したり、私たちの産業を支えるロボットの存在は、すでに馴染みがあるのではないでしょうか。日本における産業用ロボットの稼働数が、アメリカを抜いて世界一であることからも、それは明らかです。これまでロボットの活用の多くは、機械的な仕事を人間に代わって行うものでしたが、最近ではそういった「機械」という枠組みから抜けて、人に寄り添う存在になる「ソーシャルロボット」を多く目にするようになってきました。
1999年に発売され、2014年の修理対応打ち切りが記憶に新しい犬型ロボット「AIBO(アイボ)」をはじめとし、アザラシ型ロボット「パロ」などのロボットは、人間のメンタルをケアすることを目的としたロボットとして話題になりました。最近では、ユニファ(株)が発表した園児見守りロボット「MEEBO(ミーボ)」は、可愛らしいビジュアルで園児に親しみやすい姿でありつつも、園児の検温や地震速報通知、保護者との写真共有など、園業務をサポートする機能を搭載。産業用ロボットのように、機械的に人を助ける要素に加えて、人に寄り添うという視点が加わっています。また、「OriHime(オリヒメ)」は、身体を思うように動かすことのできない人の分身となって、話したりうなずいたりとボディランゲージを利用したコミュニケーションのサポートを行うロボットです。子育てや単身赴任、入院など距離が離れていても、OriHimeを操作することで、「あたかもその人がそこにいるように」会話できることが特徴です。
「人に寄り添う」「感情を表現する」ことが、これからの時代におけるロボットのキーワードなのかもしれません。