ロボットなど新しい取り組みが登場する中で 変わるものと変わらないもの

「コンニチハ。ミナサマ、ゴライジョウアリガトウゴザイマス」と話すPepper。人を認識し人の方を向く。対話するには、話しかけるもしくは胸の画面に触れる
6月11日、東京大学本郷キャンパスにて、パステルIT新聞とNPO法人CANVAS主催の第5回IT経営実践フォーラムが開催されました。4つのセミナーと10の商品・サービスが集まる展示会を実施。セミナーの様子をお伝えします。

 会場には、人に最も寄り添うロボット「Pepper(ペッパー)」が登場しました。Pepperが歌ったり踊ったり、参加者と話してお茶目な返答をしたりする様子から、会場からは自然と笑みがこぼれます。Pepperと会話するコツは目を見ること。ピンク、緑、青に色が変化するPepperの目を見ると、聞く体勢なのか考えている体勢なのかを判断することができます。ソフトバンクロボティクス(株)の池田潤氏は、「これからヒトに求められる能力は、ロボットや人工知能をきちんと理解して対話する力」と述べ、ロボットとの共存がすでに始まっている今の時代を上手に生き抜くためのヒントを示しました。

 NPO法人CANVASの石戸奈々子氏の講演では、「私たち大人ができることは、子どもたち自身がフルスイングできる環境とツールを提供すること」と語り、同団体が主に就学児を対象にこれまで活動してきた、50近くに上るワークショップを紹介しました。「学び方を学ぶ」「協働する」「答えはない」など10個の視点で編み出されたワークショップは、1万個の紙コップを積み上げたり、クリアファイルを切って輪っかにしたりと、すべて身のまわりのものを活用した創作活動(別記事で紹介)。ちょっとした工夫で、子どもたちの創造力やコミュニケーション力を育むのが魅力です。

 ファンが集まる学園実現会の石田敦志氏は、「園で必要とすべきは、成長を望む『人財』」だと、新しい採用の考え方を明言。保育や教育への専門性が高い、保護者との信頼関係が築けているなど、「人財」が集う園づくりを推奨しました。

理念が活動すべての根っこ

ロボットなど新しい取り組みが登場する中で 変わるものと変わらないもの
園における理念と活動の関係を説明

 ロボットの導入、教育・保育活動、保育者の育成など、時流に合わせて新しい取り組みを行う一方で、園経営において不変なものは「理念」です。(社)あすみ福祉会(茶々保育園グループ)の迫田健太郎氏は、保育の実践や人材育成、カリキュラムなど、園で行う様々な仕事すべてをつらぬくものが理念であり、それは園を経営する上で基本的な考え方であることを示しました。理念をどうつらぬくかが園の「らしさ」であり、それをどのように形づくって浸透させるかは「見せかた」ではなく「ありかた」が大切だと語る迫田氏の言葉に多くの参加者が共感し、メモを取っていました。「ICTを導入することはあくまで手段であり、目的ではない。そこを取り違えてはいけない。ただ、小さな共感というコミュニケーションのリアルタイムな連鎖が、社会全体や人の心を動かしていく。それを生み出しやすくするのが、ICTの活用だ」ICT化が時流となっている世の中での、園本来の在り方が腑に落ちた瞬間でした。

 変化の激しい時代の園づくりで、変わるものと変わらないものが明確になったセミナーでした。

第5回 園づくり、人づくりのためのIT経営実践フォーラム
執筆者
八木侑子

2・4面担当のパステルIT新聞編集スタッフ。ライティングだけでなくデザインも担当しています。

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