東日本大震災により、日本国内の安全対策への意識は飛躍的に向上しました。これは保育園も同様です。私も経済産業省の委託事業で、東日本大震災の教訓や課題を踏まえた保育園・保育ママ・幼稚園・認定こども園向けの防災マニュアルの作成に携わりました。マニュアルでのキーワードは、やはり「予想外」という言葉。東日本大震災でも多くの園で、防災計画を基盤に、避難訓練、避難経路、備蓄物など、もしもの時のための最善の準備をしていたはずです。しかし、予想外の地震や津波によって全てが覆されたのです。
したがって、いかにしてリスクを過大解釈し、日々それを想定した具体的行動を取れるかどうかが重要であると考えます。今後は安全対策に関する保護者の意識もさらに高まることが予想されます。不安を払拭し、安心感や満足度を高めるために、園の防災対策のあり方を見直す必要があります。また、日々の管理や食についても同様です。情報開示もさらに強化しなければならないでしょう。安心できる保育園を園が一体となって実現していく時代なのです。