どちらの幼稚園に伺っても、聞こえてくるのは保護者への難しい対応。20代から50代にも及ぶ父母たちでは、世代背景や価値観が異なりますので、先生方への要求も多様化し、大変ですね。先生方は子どもの教育・保育のプロであっても、「大人との会話」を専門で勉強してきたわけではないので、ときに不安や不満も抱くことでしょう。
そんな事情を受けて、私も先生向けに講座を開いています。講座では、まず自分自身と向き合ったり、保護者や同僚など大人とのコミュニケーションをラクにするコツをお話しています。
日頃、みなさんは「こういうタイプの人は、だいたいこういう行動をするから苦手だな~。」などと、自分なりに「タイプ分け」をしていませんか?実はそのタイプは、あなた自身の思いこみが作ったものなのです。「思いこみ」とは、あなたの考える「当たり前、常識、観点」など。一旦その「思いこみ」をはずして、頭に浮かぶ言葉や想いではなく、今、目前で話している相手の話に集中してみましょう。
人の成長を見守る仕事を選んでいる先生だからこそ、相手が大人であっても、その人の背景にある「本音」に気づけるはずです。大切なのは、自分の「思いこみ」のパターンに気づくこと。そのために、まずはちょっと立ち止まって自身のコミュニケーションを振り返ってみてください。