手づくり自園給食で生きる力を 乳幼児期の食づくり

自園給食と外部搬入弁当の違い
 ウエルビーフードシステムは静岡県や関東圏を中心に、園や介護施設の給食室の業務を担う「委託給食サービス」を提供しています。食の力で人々の幸せを願う同社に乳幼児期の食づくりで大切なことを聞きました。

 同社は、乳幼児期における食べる力を、健やかな成長や生涯健康で質の高い生活を送るための基礎と位置づけ、園児が自発的に食べる力を身につけられるよう、自園給食を担う調理スタッフを派遣する「委託給食」や、体験型食育教室「ちびっこキッチン」などの食育活動に取り組んでいます。

 「ハンバーグやコロッケなども冷凍食品を使用せず、原材料を地元の卸売市場から仕入れ、一つひとつ成形する工程も徹底的に手づくりにこだわっている」と語るのは、自身も管理栄養士資格を持ち、同社幼・保育給食戦略室でマネージャーとして働く丹羽さんです。

 手づくり給食にこだわる理由の一つは、味を感じる器官である「味蕾(みらい)」の発達に乳幼児期の食が大きく関係するため。味蕾の数は胎児から生後3か月まで増加します。乳幼児期に味の濃いものや刺激の強いものを食べると、味蕾が減少し味を感じづらくなることも。味覚を育むために、同社の給食は素材の味を活かし、日本食特有のだしを効かせた優しい味わいです。

 また、味に敏感な乳幼児期は野菜の苦みや酸味を強く感じてしまうもの。いくら栄養的に優れた食事でも食べてもらえなければ身になりません。同社の給食の汁物に入った野菜はだしの風味により食べやすく、それをきっかけに徐々にサラダも食べられるようになったという声も。自我の発達により「食べない」という表現をする園児にいかに美味しく食べてもらうか? 園の先生の声をもとに、調理の仕方や味付けを調整して献立を考えます。

 菜園活動で採れた野菜を献立に反映できることも自園給食のよさ。野菜嫌いでも自分で育てたものが給食になると口にできたという経験は、食育の成功例の一つです。最近は給食室の中が見える園も増える中、園内調理により食への興味を掻き立て、健康な体と心を育む効果も期待できます。

 「人材確保や発注、調理、帳票作成など自園給食の運営は大変。委託給食は、自園給食の運営を任せつつ、既製品を使うよりおいしい給食を実現できる。せっかくなら園の強みになる自園給食をおすすめしたい」と丹羽さん。子どもの発達に適したおいしい自園給食を園の強みにしませんか?

会社紹介 株式会社ウエルビーフードシステム(静岡県清水区)

 食べる「力」は、生きる「力」。医療・介護食、配食サービス、社員食堂などを通じて美味しく・楽しく・栄養豊かな食事を提供。

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執筆者
芦川桃香

取材・執筆を担当。地方IT企業の広報目線で、地元企業の採用活動やオンライン配信などを支援。

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