最新の脳科学×伝統的な育児の知恵②「久保田式育児法で子どもの創作意欲を高める」

久保田式育児法を活かした創作活動に取り組む認定こども園米沢幼稚園(山形県米沢市)。井上征子園長と大山順子先生にその様子や効果を伺いました。

◇印象的なカリキュラムを教えてください。

 たくさんありますが、その中でも「椅子に座る」「鉛筆の3点持ち」のカリキュラムは印象的です。0歳児から「椅子に座る」カリキュラムを取り入れていますが、0歳児でも足裏をしっかりと付け、肘・背中・膝を90度にした正しい姿勢で、10分間も作業が継続できるようになりました。

 また、「鉛筆の3点持ち」では、1歳児からクレヨンを「にぎる」のではなく、「3点持ち」で上手に描くようになり、筆圧も強くなりました。年少児から、「運筆」も取り入れ、鉛筆の持ち方を自分で意識して、リズムよくのびのびと描いています。フリープレイ(自由あそび)の時は、年少児から年長児まで、鉛筆でものを書いて遊ぶ子どもの姿をよく見るようになりました。

 久保田式カリキュラムを導入したことで、手先が器用になり、鉛筆同様、お箸も上手に使えるようになったのかなと思います。

◇先生たちが意識していることは?

 子どもたちが、「面白い!」と思うものでなければ集中力が持続しません。私たち保育者は、一つひとつの活動についての導入の仕方を工夫し、子どもたちが興味を持って、楽しみながら活動を展開していけるように、ストーリー性を持たせて進めることに重点を置いています。

 また、子どもたち自身が目標を持ち、達成感や充実感を得ることが大切です。たくさん褒めることで子どもたちが自信をつけ、それが成功体験につながるよう、意識しています。

 久保田式カリキュラムを導入することで、保育の仕事が一層やりがいのあるものになりました。

【形の認知】年中児作品

 「〇△□」の形を使って何ができるかを考えた年中児の作品です。指定された形を貼ったり、⾃由に組み合わせてみたり。「□」を折って切ると、「△が⼆つできる」という気付きも⽣まれます。

【紐通し】年長児作品

 ⾃分の⾜を型どりし、履いている靴を描きます。先⽣が空けた⽳に紐を通し、リボン結びをして完成です! 紙の余⽩には靴の底の柄を描くなど⽶沢幼稚園独⾃の⼯夫も光っています。

【サイコロ組立】年長児作品

 「サイコロの⽬の表と裏の数を⾜すと7になる」という数の認知を学ぶサイコロ組⽴。同園では前段階として、平⾯から⽴体をつくる体験を実施。絵画に⽴体を取り⼊れた⼦どもたちの独創的な世界観が際⽴っています。

◇久保田式育児法とは

 脳科学に基づいた育脳プログラム。記憶力・思考力・判断力などの考える力に影響する前頭前野を鍛えることで、自発的に考え、行動し、問題を解く力を持った人への成長を促します。教室見学、説明会も受付中。詳細はWebサイトをご覧ください。

くぼたのうけん
執筆者
服部由実

編集長。企画・取材を担当。IT企業の広報部門に所属し、社外広報や採用活動に取り組んでいます。

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