「1人1人を大切にする」を合言葉にしている六華こども園では、電動収納式ステージの導入から1年、季節行事や誕生日会など、0歳児から5歳児まで園児全員がステージに上がる機会をつくっています。
取材に訪問した2018年3月上旬は、こども園への移行前。幼稚園と保育園の園児がホールに集まり、3月生まれの園児の誕生日会や卒園生を送る会が開かれていました。吹き抜けのホールに設置されたステージで園児たちは元気よく自己紹介したり、歌や踊りを披露したりと大はしゃぎ。それまでステージが設置されていなかった保育園の園児にとっては、特に嬉しい出来事でした。
「子どもたちはステージに上がると、とても張り切っている。緊張して上手く話すことができない子もいるが、ステージに上がる度に徐々に話せるようになっていく。お母さんたちもそんな子どもたちの成長の姿に感動している」と佐藤純子園長は嬉しそうに語っています。
電動収納式ステージの導入は、園づくりや先生方にとっても、効果がありました。電動式のため、女性の職員1人でもボタン1つで簡単に壁面に収納でき、ステージを使用しない時には限られたスペースを有効に活用できます。この日も会終了後はステージを収納し、先生と園児が集まって、ホール全体を広々と使った食事会を開催していました。電動収納式ステージによって、園舎の幅広い活用が可能になっています。
園児ファーストの安心設計
園舎を設計したのは、幼児施設に特化した設計を多く手掛ける(株)ジャクエツ環境事業。導入した電動収納式ステージはコトブキシーティング(株)製です。安心・安全でありながら、園児が自発的にあそび、成長することを第1に考えられたステージは、収納1つをとっても様々な工夫が凝らされています。
例えば、稼働時は軽快な音楽が流れ、周囲にステージが動いていることを知らせます。電動操作のリモコンはあえて有線にすることで、周辺に目を配った状態で操作をしなければならず、誤操作による事故を防ぐことができます。高いところが好きで、ステージに上がりたがる園児の安全を考えた安心の設計です。
ステージ上では誰もが「主役」。そこで味わう特別感は園児の自信につながり、彼らの成長した姿は保護者の感動を呼びます。ステージは「心豊かな、元気な子に育ってほしい」という同園の願いを叶えてくれる、まさしく縁の下の力持ちと言えます。