幼稚園・保育園IT教育カンファレンス2015の会場には、子どもたちにIT教育を実践する先生、その成果を研究する学識者、良質な教育サービスを追求する企業関係者が一同に会しました。
まずは、学習環境のイノベーションが専門の山内教授が基調講演をしました。「IT社会の発展により、小学生の半数以上が今は存在しない職業に就くことになる。これまでの教育が想定していなかった時代を迎えるからこそ、時代を生き抜く『21世紀型スキル』をいかに学ばせるかを考えていく必要がある」。
山内教授が示した、この教育の時流を踏まえ、「メディアと幼児~研究の取り組み」のセッションへと進みました。ここでは、新しいあそびや創造的活動につながる幼児向けのTV番組やデジタルコンテンツの紹介と、メディアを用いた幼児教育の研究が報告されました。
続いて、IT教育の実践事例を3園の代表がプレゼンしました。知育アプリで学ぶことを思いきり楽しんだり、大きな声で発表や質問をして自分を表現したり、海外の人とTV電話で交流したり、作品づくりで新しい表現を見出したりする事例など、子どもたちのイキイキとした表情が写真や動画で紹介されました。
最後は、パネルディスカッション。知育アプリの選び方、取り組み方、保護者への説明など、参加者から寄せられた質問に答える形式で進められました。
9割アナログ 1割デジタル
「9割アナログ。1割デジタル」。つるみね保育園の杉本園長の言葉に、参加者は深く共感をしていました。デジタルに取り組み始めたことで、先生たちが変わり、アナログの保育の質が変わっていったのだと言います。
アナログとデジタルは二極ではなく、アナログな環境にデジタルのエッセンスを1滴加えること。この発想こそ、子どもたちが未来の社会を生きるチカラを養う教育の実践や、時代に応じた教育・保育のイノベーションにつながるのかもしれません。
なお、当日の資料は、Webサイト(http://kdkits.jp/)より入手可能。また、スマートエデュケーションの園児向けIT教育プログラム「KitS」導入園の見学会と勉強会は、同社がメール(info@kdkits.jp)で受付中です。
カンファレンスパネリスト
東京大学大学院 情報学環教授 山内 祐平 氏 |
愛知淑徳大学 人間情報学部 専任講師 佐藤 朝美 氏 |
株式会社NHKエデュケーショナル こども幼児部 統括部長 坂上 浩子 氏 |
株式会社NTTドコモ 教育事業推進担当部長 伊能 美和子 氏 |
株式会社スマートエデュケーション 代表取締役 池谷 大吾 氏 |
社会福祉法人上名福祉会 理事長・つるみね保育園 園長 杉本 正和 氏 |
社会福祉法人コビーソシオ・コビープリスクールよしかわ 園長 三鍋 明人 氏 |
学校法人聖愛学園 聖愛幼稚園 園長 野口 哲也 氏 |