こども園移行で煩雑化 業務見直しにICT活かす

初のシステム導入も、「システムの不明点はサポートセンターに聞くと丁寧に教えてくれるので安心です」と話す先生たち
 静岡県藤枝市の大洲こども園は、2018年に幼稚園からこども園へ移行。煩雑化する保育料・諸費用計算や保護者とのコミュニケーションを見越して、保育ICTシステム「パステルApps」を導入しました。

この記事のポイント

  • こども園移行に伴い、従来の請求業務や保護者連絡の方法の見直しが必要に
  • システム導入から6年。保育料計算・出欠管理・保護者連絡にICTをフル活用
  • 業務の記録が一つに。園長や学年主任が実感したICTのよさ



 大洲こども園が保育ICTシステム「パステルApps」を導入したのは、こども園移行前の2017年。懸念だったのは、これまで一律だった保育料・諸経費が多様化することによる職員負担の増加や、働く保護者が増えることによる柔軟な連絡手段の確保。従来の請求業務や保護者連絡の方法を見直そうと、業務のICT化に踏み切りました。

 導入後すぐに活用したのは、保育料計算と諸費用計算、預かり・延長保育の機能です。これにより、保護者はアプリから預かり保育の申し込みができるようになり、園も保育料や諸費用の金額を合算して口座引き落としできるようになりました。今では保護者へのメール配信や出欠管理、用品販売、園評価アンケートなど、園のさまざまな業務をパステルAppsで行っています。

業務の記録が一つに ICTのよさ実感

 導入から6年。徐々に利用機能を拡張してきた小原志信園長らはICTのよさについて、「業務の記録や子どもに関わる情報を一か所にまとめられること」とふりかえります。例えば、紙のおたよりもメール配信にしたことで送信履歴や開封状況をシステムから確認可能に。「いつ・誰が・誰に送ったか」「誰をフォローする必要があるか」を把握しやすくなりました。

配信したメールは開封時刻を確認でき、未開封者に再送信可能

 学年主任の先生からは、「色々な業務が並行して動いていて余裕がなくなることもある。すぐに共有・確認できることや記録が残るのは安心」という声も。小原園長も「本当に見たいところに目を向けられる。そのためのICT活用を続けていきたい」と語りました。

サイトでは同園の実践をより詳しく公開中です。
学校法人大洲学園 大洲こども園(静岡県)

昭和33年開園の大洲幼稚園が前身。開園から65年が経つ今も、子どもたちが喜びいっぱいで笑顔で帰っていく環境づくりを大切にしている。

執筆者
服部由実

編集長。企画・取材を担当。IT企業の広報部門に所属し、社外広報や採用活動に取り組んでいます。

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