◆3月26日（日）「くまさんこども園」完成見学会開催
有害物質を分解＆免疫力向上　空気が”うまい”園舎

（上）くまさん保育園逢隈園内。「木の香りがする保育園」と保護者から好評／（右）ホコリや汚れを吸着・分解する幻の漆喰／（左）音響熟成木材に惚れ込んだ工務店やお客様が切れ端で自作した収納ボックスやコースター

　「空気中の有害物質から体を守るだけでなく免疫力を上げる効果がある。安心安全で空気がうまいという環境は子どもたちにとって最高の環境だとすぐさま共鳴した」

　（社福）東北みらい樹の南條裕美理事長が健康自然建材「音響熟成木材」と「幻の漆喰」を知ったのは、2018年に保育園を開園する以前。建設会社を経営する知人の紹介でした。

　提供するのは、福岡県に本社を構え、全国約100社の取引先を持つカイケンコーポレーション㈱。「シックハウスやアレルギーに苦しんでいる人たちを救いたい」という思いから、化学物質を発生しうる新建材や集成材、ビニールクロスなどを使用せず、自然が本来持っている力を生かした健康住宅づくりに取り組む企業です。

　「化学物質は何万種類とあるが、シックハウス法が規制する化学物質はホルムアルデヒドとクロルピリホスの2つだけ。ホルムアルデヒドの発散濃度を示す基準のうち最高等級と呼ばれる〈F☆☆☆☆〉も、他にどのような化学物質が使われているかわからない」と浦上社長。社長自らが全国を巡る健康住宅セミナーを中心に口コミが広がり、コロナ前は工場見学と宿泊体験ができるさつま見学工場に年間約1500名が訪れていました。

　その魅力は、「住んでからも健康であり続けられる環境」を徹底して追求していること。自然な木目や年輪が美しく、体感温度も人肌に近い音響熟成木材は、ウイルスや細菌から生体を守る免疫グロブリンＡの増加を促す杉を使用。一般的な熱風などによる機械的乾燥ではなく、常温で音響熟成することで油分とエキスを残したまま水分を抜くという新しい乾燥方法を構築し、木が本来持つ保湿・保水・防菌機能を備えていることが特徴です。

　そして、空気がうまい園舎に欠かせないもう1つの建材が、幻の漆喰。空気中のホコリや臭い、化学物質や有害物質を吸着・分解し、室内を常に清潔な空間に保ちます。独自の光熱触媒作用により光だけでなく熱にも反応するため、靴箱などの暗所でも分解。「花粉症の原因物質である花粉アレルゲンの濃度を6時間で90％以上低減」「アトピーやアレルギーの原因となるホルムアルデヒドを30分で分解」「鳥インフルエンザウイルス感染価を100万分の1に抑制」などの実験結果を得ています。

新築するこども園にも健康空間を

近隣から「子どもたちの声が賑やかで安心」という声が届くと話す南條理事長

　建材の魅力に触れた南條理事長は、東日本で初となる音響熟成木材と幻の漆喰を取り入れた園づくりを決意。建設会社によると、子どものことを考えて最初から両建材を取り入れる園は珍しいそうです。保護者や地域から「木の香りがする素敵な保育園」と評判を呼び、今年4月に新築する「くまさんこども園」でも同建材の採用を決めました。

　「子どもの人格形成には遺伝・環境・自我の要素がある。音響熟成木材や幻の漆喰でつくる穏やかな環境は子どもたちに安心感を与え、成長にも一役買う環境だと確信を持っている」

　天井は音響熟成木材が板張りされ、壁に塗られた幻の漆喰は6年経った今も綺麗に保たれています。床材は年輪を浮き上がらせる「うづくり加工」を施したもので、凹凸が足裏をやさしく刺激。森の中のような空気感と自律神経のバランスを整える工夫が凝らされた園舎では、子どもたちが自由奔放に遊ぶ姿が見られるそうです。「空気がよく温かい園」と保育者もにこやかに働いており、花粉症の症状も和らぐとのこと。子どもたちの豊かな表情や快適さはそこで働く職員が一番体感しているようです。

　同園の理念は「桜梅桃李」。同じように見えても異なる木々のように、自分にしか咲かせられない花を咲かせ、自分にしか実らせることのできない実をつけられるようにという願いが込められています。「人との関わりの中で自分のアイデンティティを持ち始める。のびのびと自分らしく成長できる環境は何より大切」という言葉から、子どもたちへの愛情が原動力でその象徴がこの園舎であることが伝わってくるようでした。
　くまさんこども園完成見学会は3月26日（日）開催。見学も可能ですので、これを機に「空気のうまい園舎」をご体感ください。

くまさん保育園逢隈・こども園（宮城県）

　音響熟成木材と幻の漆喰でつくる健康に配慮した園舎が特徴。2018年に小規模保育園「くまさん保育園逢隈」を開園し、2023年4月に「くまさんこども園」を開園。