「あしたばドア」は、ブラジルやタイ、ニュージーランドなど、世界各国の子どもたちと自園をZoomでつなぎ互いの文化を紹介したり、参加型の動画プログラムを通して、その国の文化や遊びを体験したりするもの。プログラムは、事前学習・交流・事後学習の3部構成で、園側は事前に共有される資料をもとに、交流する国の位置や国旗、挨拶や文化などを、子どもたちと学びます。そうして子どもたちの関心を高めた上で当日を迎え、現地の映像を見たり、一緒にダンスやゲームをしたりしながら交流を楽しみます。
大きな特徴は、ブラジルにおける森林破壊やアメリカの電力不足、ケニアの水不足など、プログラムの中でSDGsにつながる各国の課題に触れることです。
「5人中1人は電気が使えない」「水を汲みに行くために学校に通えない子どもたちがいる」
事後学習では、こうした現実に対して自分たちができることを話し合います。その浸透力について、明日葉保育園相生園の中井園長は、「私たちが電気をつけたままにしていると、子どもたちから電気消して! とすぐに指摘が入る。水道の蛇口閉まってる? と声をかけあう姿も日常で見られるようになった」と驚いたそう。「自分たちで調べ、考えるといった”自分で学ぶ力”もあしたばドアで身についた」と振り返ります。
さらに、1月に実施したオーストラリアの保育園との交流では、地域の子育て家庭によるオンライン見学も受け入れ。コロナ禍で減少した園見学や未就園児教室に代わる場づくりを試みました。
「コロナ禍で親以外の大人や同世代の子どもと触れ合う機会がつくれていないと悩む保護者の方もいる。園の雰囲気を体感いただくのと同時に、2~3年後には世界とつながる機会が与えられることを楽しみにしてもらえたら」と中井園長。
子どもの好奇心を育み、世界観を広げる保育プログラム「あしたばドア」は、地域家庭にとっても新たな学びの入口となりそうです。