ディスカッションには、元アップル日本法人で代表取締役を務め、現在は㈱リアルディアを設立した前刀禎明氏をはじめ、洗足こども短期大学 准教授の井上眞理子先生、認定こども園さくら 園長 堀昌浩先生、ユニファ㈱ 代表取締役 CEOの土岐泰之氏が登壇。
冒頭、前刀氏は自身が勤めてきた企業のトップに共通する「セルフイノベーション」(解放する・創る・超える)について語ります。
「自分の心と直感に従って生き、成長し続けるには、ラーニングインテリジェンス(学び続ける知性)を磨くことが必要。何かをしたいという気持ちと達成するための努力、できた瞬間の喜びが成長の原動力になる」
ラーニングインテリジェンスを育むために、前刀氏が開発したのが「DEARWONDER」というアプリ。立体空間にある球体を指で動かし、影などをヒントにして形を想像しながらゴールをめざします。与えられたステージをクリアするだけではなく、自分で工夫して迷路などのステージを創ることで、色々な発見があり課題設計力が磨かれます。さらに、自分のステージを多くの人にプレイしてもらうことで、自分の想像を超える解決方法に出会うことができ、これがセルフイノベーションにつながると語ります。
DEARWONDERを取り入れている、認定こども園さくらの堀園長は「例えば『迷路をつくろう!』 となったとき、最初は出題者と回答者で明確に分かれていたのが、『どうしたらもっと面白くなる?』『こんな解き方もある』と子どもたちの中で会話が生まれ、1つの出題に対し何十通りの回答を探すのを楽しみ始めた。物事を創る仲間ができ、固定観念から解放されて遊ぶ。VUCA時代と言われるような、正解がない世界に飛び込んでいく子どもたちにとって、柔軟な思考力や多角的な視点を養い、人格や性格の一部になる」と語りました。
そして、話は未来を生きる子どもたちを育てる大人へ。よい経験をさせたいという大人の感情が、かえって子どもが育ってほしい姿から遠ざけてしまう。私たち大人がいかに子どもの「好き」という気持ちを止めず、全力で応援できるかが、心がワクワクうごく、夢中になって生きる楽しさを追求するのに必要だと認識を共有していました。