未来型課内教室「ICTたいむ」で育ちの幅を広げる 三ヶ島幼稚園が正課で実践 ICTを未来の育ちの架け橋に

ICTたいむの時間は専門の指導員が来園
開園51年の歴史がある学校法人光輪学園三ヶ島幼稚園(埼玉県)が2020年6月にICTスクールNEL東京校(株式会社ティーガイア)が提供する未来型課内教室「ICTたいむ」を導入。小学校のプログラミング教育の必修化を受け、園においてもICT教育に関心が高まる中、ICTと子どもの育ちの関連性を取材しました。

 10月中旬、三ヶ島幼稚園の年長クラスで行われたのは、アプリで制作した絵本の制作発表会。「幼稚園にある自分が大好きな遊び」をテーマに、3人1組でiPadを操作し制作した絵本を発表しました。

 「ICTの魅力は失敗してもやり直せること。安心して自分の表現を突き詰められることで、子どもの個性が生まれ、その表現方法も身につく」

 そう語るのは、喜多濃太香園長です。絵本づくりもアプリにないイラストを描きたい時は、長方形や半円など図形を駆使。こうした子どもの姿は、同園の教育理念である「よく考え自分で行動できる子ども」「ねばり強く最後までやり抜く子ども」に結び付くものです。さらに、文部科学省が提唱する幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿にある「思考力の芽生え」「数量・図形、文字等への関心・感覚」「豊かな感性と表現」などにつながります。

 加えて、2020年度には小学校で新しい学習指導要領もスタートし、プログラミング教育やICTを活用した情報活用能力の育成、主体的・対話的な学びで深い学びを実現させるアクティブ・ラーニングの視点などが追加されました。Society 5.0などの社会の変化に伴って、予測困難な時代においても自ら課題を見つけ、学び、考え、行動する力が求められています。

 喜多濃園長はこうした世の中の動きを見据え、「子どもたちが進ぶべき道を自ら見出してほしい」と、英会話やダンス、スイミングなど多彩なカリキュラムを実施。「ICTたいむ」もその1手段として導入しました。

 同カリキュラムは、絵本づくりのほか、写真パズルやタングラム、プログラミングなど、10の姿の育成に対応。小学校においてデジタル教科書の推進される中、幼少期にICTで学ぶことは子どもたちにとっても原点になると期待しています。

 カリキュラム当日は、専門の指導員が来園。保護者にもすっかり「ICTの先生」として認知されており、小学校でのプログラミング教育必修化を受け、正課だけでなく課外教室を望む保護者も多いようです。

 「幼少期の経験は人生に大きな影響を与える。心の教育の重要性と規則正しい生活や豊かな経験を基に、あらゆる世界に活躍する力の基礎を築いていきたい」と喜多濃園長は語ります。

執筆者
服部由実

編集長。企画・取材を担当。IT企業の広報部門に所属し、社外広報や採用活動に取り組んでいます。

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