「本物」に触れて五感で感じ心を育てる保育 藤岡幼稚園ヴァイオリン演奏会

 2019年11月18日、学校法人藤岡学園藤岡幼稚園(静岡県藤枝市)にて、音楽ユニットMINGLE(ミングル)によるヴァイオリンコンサートが開かれました。

 演奏者は、ジブリアニメ「耳をすませば」の楽曲でヴァイオリンを演奏したKaoさんと、10種の木管楽器を操る小田島さんのユニット「MINGLE(ミングル)」。曲目はミングルオリジナル曲から始まり、「小さな世界」や「おもちゃのチャチャチャ」などの園児たちも一緒に歌える楽曲。さらに、この日は藤岡幼稚園のリズム発表会2日前ということで、子どもたちが発表する曲を一緒に楽しむ場面もありました。

バリトンサックスの太い音にびっくり

 園児たちは「いろんな楽器がある!」と生で見る楽器に心が躍った様子で、曲に合わせて元気よく歌ったり、踊ったり、クラリネットの音をまねて声を発したり。また、Kaoさんが「きれいな曲が始まるよ」と言うとメロディに聴き入ったりと、曲の情緒や雰囲気を感じ取っている姿も見られました。この瞬間の1人ひとりの子どもたちの姿を見守るのは、副園長の岡田先生をはじめとした先生方です。

ヴァイオリンコンサート発案者の想い

イベント発案者の岡田副園長

 イベント発案者の岡田副園長は、「今回、プロによるヴァイオリン演奏会を開催することになったとき、園児だけでなく、未就園児やその保護者にも声をかけた。『子どもが小さいから』と、普段は遠慮してしまうかもしれないけど、感受性の高いこの時期の出会いこそ、子どもの心や情緒を豊かに育てるのに一番大事。だからこそ、本物に触れる場面づくりを大切にしていて、保護者にも伝えていきたい」と語ります。

保育に対する想い(藤岡幼稚園 岡田副園長)

 藤岡幼稚園では、園長はじめ職員がひとつになって、「本物に触れ、五感で感じ、自分たちで気づいたり発見したりすること」を大切にしています。

 例えば、泥あそびが始まり、運動靴での不便さを感じた一人の園児が、次の日ゴム草履を持ってきました。そこから、ほかの子どもたちにもその便利さが伝わり、自主的に持参する動きが広がっていったといいます。「季節の変化に気づき、その先の行動を決める。これは子どものあらゆる成長につながる」と岡田副園長。別の日には、園内行事で「お寿司バイキング」がありました。縦割り方式で、年長さんが年下の子をお世話するとき、まず小さな子に好きなものを選ばせたそう。「だってぼくたちは大きい組だから! 年少さんが先さー」。「均等に分けるよりも小さい子たちにやさしくしてあげたい」という、子どもたちの心の成長がこうして見られたのは、先生方が配慮をしつつも園児たちの自主性を尊重し見守っていたから。こうした取り組みや園の大切にしていることは保護者にも伝わっており、理解・支援をし合う関係ができているようでした。

 音楽をイヤホンで聞くよりも、生の演奏で音色や音の響きを感じる。絵本の読み聞かせ、泥あそび。体中、絵の具まみれになっての活動。枝や葉っぱ、花や生き物に触れることで、生態に興味を持ったり、大切にしたりする心を育む。製作物の接着もセロテープに頼るばかりでなく、自分たちで工夫する。

 そして、子どもたちの生み出す「あそび」の世界での関わり合いこそが育ちを深め、子どもを取り巻くみんなが共に育つ。すべてが「『本物』に触れて、五感で感じ心を育てる保育」につながっています。

執筆者
芦川桃香

取材・執筆を担当。地方IT企業の広報目線で、地元企業の採用活動やオンライン配信などを支援。

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