日本子守唄協会が全国の子守唄を伝える 情報社会にこそ必要な情操教育

書籍「日本の子守唄 命と愛のメッセージ」
(遊学社)

 民謡の基本である子守唄。モノや情報に溢れ、それらをスマートフォンから便利に得られる時代だからこそ、昔から受け継がれてきた子守唄の必要性を唱える団体が、NPO法人日本子守唄協会(東京都台東区)です。「子守唄は地域ごとに口伝で残ってきたもの。そのため、歌の中には各地域の自然や風習が色濃く反映されている。そしてそれは、自身の原点を思い起こさせてくれるものでもある」と語るのは、同協会の西舘好子会長です。同氏の著書「日本の子守唄」には、全国各地にある46の子守唄とその背景が紹介されています。

 情報過多と言われる社会の中で、情報に惑わされるのではなく、取捨選択し、うまく使いこなす力(ITリテラシー)が必要となってきています。そうした中で、注目されているのが情操教育。「胎児や乳児の時期から、五感を刺激して情操を育めるのが、子守唄などのわらべうた」と西舘会長は続けます。「国語教育の基礎となり、日本の姿を体験するのもわらべうた。わらべうたには、日本の過去の知恵がすべて詰まっている。子どもたちには、それを日本人として忘れないでいてほしい」。

 小紙8月号で紹介したこばと保育園(静岡県島田市)のように、わらべうたの伝承に注目が集まっています。

執筆者
八木侑子

2・4面担当のパステルIT新聞編集スタッフ。ライティングだけでなくデザインも担当しています。

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