「育児は人生の中でとても大切な時間。自分のライフスタイルを保ちつつ、自分らしく楽しく育児をしたい」。そう語るのは、ベビー用品の中でもベッドやチャイルドシート、ベビーカーなどの大型雑貨をメインに扱う株式会社カトージに勤める永澤美郷さんです。
カトージは、1954年に愛知県で創業して以来、「楽しいベビーグッズを」という理念のもと一般家庭向けに商品を販売。レストランやホテルなど法人からの問い合わせが増えたことから、2018年に法人を対象とした事業を立ち上げました。この主な対象に、園も含まれています。
「日々、育児に追われるご家庭と同じように、園の先生方も『大変』『忙しい』という気持ちが少なからずあるはず。日々使うものだからこそ子どもにとって快適で、保育者にとっても操作しやすいものを提供したい」と、商品開発に対する想いを教えてくれました。
例えばベビーベッドの場合、一般的なベッドはネジで組み立てられているため、収納時には解体しなくてはなりませんが、カトージのベッドは折り畳み式。使用しない時は収納でき、限られたスペースを有効に活用できます。他にも、使用シーンに合わせてお昼寝や食事に使用できるハイローラック、折り畳み式やベルト付きといった様々な用途に対応したイスなど、園での活躍が期待される商品が充実しています。
カトージの特徴は、徹底した「ママ目線」。「子どもだけでなく、ママやパパが『自分たちの人生』も楽しんでほしい」という永澤さんの想いは、日々子どもと向き合う保育者も無関係ではありません。
ベビーシッター経験で自分事に
実は永澤さんは、大学時代に留学先のオーストラリアで半年間、ベビーシッターのアルバイトを経験したことがあるそうです。
「1歳、3歳、5歳のお子さんがいるご家庭で、住み込みで家事をしながらアルバイトをしていた。やはり、3人のお子さんがいるママは大変で……。それがきっかけで、育児ストレスを少しでも軽減できるような手助けをしたいと思った」
アルバイトでは、育児のストレスを抱える保護者と接したり、自身が子どもの世話に奔走したりする中で、時に心が折れそうになることも。しかし、そうしたネガティブな側面も育児を考える上で大事なこと。「赤ちゃんやママが直接使う製品が使いやすくなったら」「そういう手助けができる仕事に就きたい」と、最初は興味本位で始めたアルバイト経験が、永澤さんの今の仕事につながっています。
「育児は本来、子どもの成長を感じられるポジティブなもの。各園で抱えている悩みに寄り添った商品づくりをしていきたい」と永澤さん。こうした使用者を思う心こそが、半世紀以上にわたってカトージが選ばれ続ける理由かもしれません。