茶々保育園の名は、昭和54年、埼玉の茶畑の真ん中で誕生したことに由来します。茶々の名にふさわしく、人々がリラックスできるカフェのような空間でありたいと願い、茶々むさしせき保育園(平成27年開園)にカフェを併設しました。
「ちゃちゃカフェ」では、ネスレのコーヒーやティーマシンを無料で利用できます。コンセントやWi-Fiもあり、保護者が送迎時に一服して、スマホの充電やネットをする光景が見られます。保育士は休憩や連絡帳書き、職員同士の相談などに利用します。カフェの雰囲気が心を解放するせいか、職員のコミュニケーションは豊かになりました。地域にも浸透し始め、住民の利用も増加中です。
茶々保育園が目指すのは、子どもたちの能力や感性を尊重し、必要以上に子ども扱いをしない保育。ビュッフェ形式のランチで自分の食を意識したり、来客にお茶を淹れ、作法や心を尽くしたりするのも自然なことです。
保育室には朝・夕の気持ちを示す「Myフィーリング」や、生まれてからの時間がひと目でわかる「Myビーズ」。「オトナな保育園」という上質で凛とした柱に支えられた空間では、日々の心の状態や時の流れを受け止めながら、子どもも大人も共に成長します。
枠を外したら見えてきた
創業者が培った保育の現場に2代目の迫田理事長が身を置いたのは、平成14年のことです。当時は創業者の存在そのものがブランドでした。
そこで、迫田理事長は創業者の想いを理屈として体系化し、より多くの人々にわかりやすく伝えていく取り組みに着手しました。「地域に根ざし、想いを持って保育に取り組んできた歴史があると、伝えたいことが膨らみ過ぎてしまう。それを園関係者をはじめ、外部の専門家の声も聞きながら、どれだけ引き算していけるかが鍵だった。結果的には保育とはこうあるべき、園とはこういう場所という枠を外していくことで新しい園の姿が見えてきた。自分のものさしは大事にしていたが、創業者が自分を尊重してくれたのも心強かった」と語る迫田理事長。
「そもそも、なぜ? 」を繰り返し、現在のビジョンとスタイルに行き着いたのは、この1、2年。カフェのある園もそうして生まれました。今春にはギャラリーやマルシェのある園も開園。茶々らしい味わいは、さらに深みを増していきます。