7月7日は日本に古くから伝わる伝統行事、七夕の日。七夕の夜は、織姫と彦星が年に1度会えるという、とてもロマンチックで夢のあるお話があります。
風習として、願い事を書いた短冊や、吹き流し、輪つなぎなどの飾りを笹に飾りますが、皆さんの園ではどのように七夕を過ごしていますか? また、七夕の由来はどのようにして子どもたちに伝えていますか? 子どもたちは、織姫・彦星という登場人物に大変興味を示します。七夕の元を辿ると難しい話になってしまいますが、子どもたちにはできるだけ分かりやすく伝えてあげたいですね。
七夕の由来
ルーツを辿っていくと、元は中国の「乞功奠(きこうでん)」という風習から生まれた習わしだそうで、諸説あります。しかし、子どもに伝えるには難しい話になりますね。
昔の日本は今のように衣食住が豊かではなかったため、願い事を書いた短冊や祈りを込められて作った飾りを笹に飾って、豊作を天の神様にお祈りをするという行事が七夕というものだそうです。このことを、よくご存じの織姫と彦星のお話とあわせて伝えてあげると良いかもしれません。
七夕飾りの種類と意味
七夕飾りも年齢によってつくれるものが限られてきますので、難しいものは先生と一緒につくったり、お家の人と一緒につくれるような簡単なセットを持ち帰ってもらったりしても良いですね。
また、七夕飾りには、一つひとつ意味があります。つくる際に、意味も一緒に伝えてあげましょう。歌にもありますが短冊は5色あり、それぞれに意味があります。元々は生活に則して、色に合わせた願い事を書くそうですが、子どもの短冊には以下に紹介している( )内のように書いてあげるといいですね。
幼稚園・保育園よくつくられる七夕飾りの種類と意味
織姫・彦星 | 2人がいつまでも仲良く過ごせますように | |
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短冊 | 緑 | 木・仁・織姫(おりひめ) |
赤 | 火・礼・星(おほしさま) | |
黄 | 土・信・彦星(ひこぼし) | |
白 | 金・義・天の川(あまのがわ) | |
紫 | 水・智・宇宙(ねがいごと) | |
星飾り | 星に願いが届きますように | |
吹き流し | 織姫のようにはたおりが上手になりますように | |
夏野菜 | 豊作になりますように | |
ちょうちん | 心を明るく照らしてくれますように | |
五色つなぎ | 短冊と同じ意味の5色の色紙で輪つなぎ・菱つなぎ |
他にも知っておきたい七夕飾り
紙衣 | 裁縫の腕が上がりますように |
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巾着 | お金が貯まりますように |
投網 | 豊漁に恵まれますように |
折り鶴 | 豊漁に恵まれますように |
くずかご | 整理整頓ができ、ものを粗末にしない子になりますように |
時間や余裕があれば、たくさんの種類をつくればつくるほど華やかになると思いますが、全部の種類をつくろうと思うとちょっと大変ですね。6~7種類ほどあれば充分だと思います。
七夕の過ごし方
園によって、各クラスで七夕行事を行ったり、全園児で集まって七夕の集いという形をとるところがあったりします。七夕行事を行う園では、数日前から笹飾りをつくって飾り、七夕の由来や内容を伝えたり、七夕のうたを歌ったりして過ごすのが定番ではないでしょうか。そこで、七夕の織姫・彦星のお話を子どもたちに伝えるために、こんな活動をしてみてはいかがでしょうか?
素話
絵や画面がない分、子どもたちに様々な想像をしてもらえます。
参考
絵本・紙芝居
七夕に関する分かりやすい絵本は、なかなか見つかりにくいですよね。あったとしても、難しい言葉で表現されていたり、文章が長くて小さい子どもには分かりにくかったりすることがほとんどです。その場合は、読むときに、少し分かりやすい言葉や内容に言い換えて補足を付けてあげると良いでしょう。また、オリジナルで絵本や紙芝居をつくってみるのも温かみがあって良いのではないでしょうか。
おすすめの絵本
七夕の由来や織姫・彦星の話が昔からの言い伝えそのままで描かれた、非常にシンプルな絵本です。七夕に関連した絵本は沢山出てきているようですが、この2冊は七夕そのものが表現されています。
人形劇
舞台をつくって、織姫・彦星の人形劇も楽しいですね。
参考
映画
今はインターネットのYouTubeで検索すると色々出てきます。その中で適したものを探して、見せてあげてもいいですね。
プロジェクターがある園は大変便利なため有効に活用しましょう。パソコンにつなげてYouTubeの動画で映画上映もできます。学校の授業などでよく使われるという、オーバーヘッドプロジェクターがあると、天井に星を映し出したりすることができるため、雰囲気づくりに良いですね。また、絵本を大画面に映し出すことも可能ですし、おすすめは、ミニペープサートです。プロジェクターの台の上で動かすので少人数で演じることができます。
※ 著作物を取り扱う場合は許可を得るなど充分注意しましょう
参考
昔からの行事で決まりなどが多いですが、子どもに合わせて、楽しい雰囲気で、夢のある七夕を過ごしてみてください。