オルフィスのカラー印刷物で表現する ありのままの子どもたち

カラー印刷して配布したおたよりは、A3用紙に印刷してファイルで保管。保護者が来園時に閲覧し、保育活動を振り返る時間づくりに役立てている
学校法人大里学園 静岡中原幼稚園では今年3月、高速カラープリンター「オルフィスEX」を導入しました。職員1人につき1台のパソコン環境で園だよりなどの編集ができる同園でのオルフィス活用について取材しました。

 静岡中原幼稚園は、昭和28年に静岡市の街中で開園しました。創設者の浅場理事長(現理事長の父親)は、童話の語り部を顕彰する「久留島武彦文学賞」の受賞者。開園当初から、童話の世界の体験と、ことばを大切にする「心の教育」が自然と育まれてきました。

 現在の園児数は約100名。平成20年に併設された保育園のみんなとグループ活動をしたり、市内の特別支援学校のお友だちと遊んだりもします。園の家庭的な雰囲気が好きだという保護者が多く、行事やボランティアへの協力も積極的。子どもたちも大人たちも一体となっているのが特徴です。

 同園では、輪転機と複合機を所有していました。印刷は輪転機が基本。複合機でのカラー印刷はコストの問題で利用に制限がありました。「やっぱり写真を使ったおたよりは、カラーで印刷したい」。1人1台のパソコン環境で、保護者により伝わるおたよりを編集しようと工夫を凝らす職員たちからは、カラー印刷の許可を求める声が増加。これを受けて浅場理事長は、展示会に足を運ぶなどして情報を得ながら導入の時期を検討。3月にオルフィスEXを導入しました。以来、毎月の園だより、クラスだより、増刊号などをカラー化しました。「おかげでカラー印刷物を気兼ねなく発行できるようになった。先生たちが保護者に伝えたいとこだわった、ありのままの子どもたちの表情が伝えられ、保護者にも好評」と海野園長は語ります。

Webとの連携目指す

オルフィスのカラー印刷物で表現する ありのままの子どもたち
昭和46年から続くつぶやきの詩集

 静岡中原幼稚園では、昭和46年から子どもたちの何気ない日常のつぶやきを母親と先生が採集する活動が続いています。これは入園時に母親にノートを配付し、子どもの発する言葉を書き留めてもらい、毎年1冊の詩集を編纂する取り組みで、詩集は今年で42冊目となりました。この詩集の制作は外注でしたが、オルフィスEXにオプションの「くるみ製本フィニッシャー」を付ければ、今後は内製化も可能になるでしょう。

 Webサイトはリニューアルオープンを機に、「ホームページ委員」を選任。継続的な運用体制を整えました。「現時点では、毎月カラー印刷するのは数種類の原稿を数十~百部程度。まずは職員が安心してカラーのおたよりを作成できる環境ができたことが第一歩。園として、今後はさらにいろいろな印刷物づくりに利用していきたい。オルフィスEXとWebサイトそれぞれの特性を活かし、職員たちがより活発に情報発信を行ってくれたら」と浅場理事長は語ります。

 ことばを大切にする教育の実践者たちだからこそ、編集にこだわり、表現にこだわる。子どもたちのありのままを伝える手段として「カラー化」が行われたのでした。

執筆者
鈴木あゆみ

パステルIT新聞編集長。特集の企画・ライティングほか、紙面全体の編集を担当しています。

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