筑波大学大学院国際発達ケア研究室が主宰 「根拠に基づく保育を考える」

 2月12日、東京都内で「根拠に基づく質の高い子育ち子育て支援」をテーマに保育研修会が開かれました。筑波大学大学院の安梅勅江教授率いる国際発達ケア研究室が主催したもので、科学技術振興機構、保育パワーアップ研究会、全国夜間保育園連盟、日本保健福祉学会が共催し、全国から約60名が集いました。

 前半は「質の高い子育ち子育て支援をめざして」をテーマに、3つの保育園が発表をしました。いずれも、同研究室が全国夜間保育園連盟とともに開発した「WEB園児総合支援システム」を導入しています。これは、12年間のコホート研究から科学的根拠に基づき開発された5つのツールで、社会的スキル尺度、一般発達評価ツール、気になる子ども支援ツール、育児環境評価ツール、保育環境評価ツールで構成され、インターネットを通じてパソコンやiPadで使えます。小倉北ふれあい保育所の主任保育士、酒井初恵氏は、「ツール活用で一人ひとりの育ちが多面的に見える。それを保育士間で共有し、客観的な評価をタイミング良く支援につなげられる。子どもが今の育ちを楽しむ保育実践にツール活用は重要」と発表しました。

 後半は、保育の専門性についてグループディスカッションが行われました。安梅教授は、「ツールは気になる部分を見つけることが目的ではない。その子の強み、良さを見つけ、エンパワメントしてほしい」と研修会をまとめました。

保育パワーアップ研究会
執筆者
鈴木あゆみ

パステルIT新聞編集長。特集の企画・ライティングほか、紙面全体の編集を担当しています。

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