第1回「幸せに生きる」
はやきた子ども園 園長 井内 聖

はやきた子ども園 園長 井内聖先生
はやきた子ども園(北海道)は、登降園管理や職員同士の情報共有にITを取り入れ、保育者の管理業務ゼロを目指すなど、幼児教育の質向上に取り組んでいます。子どもの未来を守るために、保育者が大切にしたいこと。今回は、はやきた子ども園の井内園長の「原点」を教えていただきました。

 Society5.0という言葉を知っているでしょうか? 狩猟社会(1.0)、農耕社会(2.0)、工業社会(3.0)、情報社会(4.0)に続く新たな社会を指すものでサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を融合させ経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会のことです。

 来年度の予算(教育予算、産業予算等)をみても国としてかなり力を入れているのが分かります。それにあわせるように「21世紀型スキル」という言葉もでてきました。今までの「知識量+計算量」ではなく基礎力(言語、数量、情報)、思考力(問題解決、発見、適応学習)、実践力(自律的活動、人間関係、社会参画)により、体験を通して学びを価値付け生活で発揮できる力というものです。

 幼児教育で言えば一斉指導による特定技能教育は20世紀型スキル、遊びを通した総合的な指導は21世紀型スキルとなるでしょうか。なるほどと思いつつ、なぜか違和感も覚えます。というのは、これらすべてにOECD(経済協力開発機構)が絡んでいるからです。経済発展が悪いとは言いません。

 しかし、経済的な豊かさと幸せであることは別です。ましてや幼児が自らを生きる姿に経済的観点など入りようもありません。「Society5.0」「21世紀型スキル」確かに大切であり、その方向に進むのでしょう。でも幼児教育者である我々はどんな未来であっても子どもたちが「幸せに生きる」ことを願い、保育に向き合っていきたい。そう思います。

はやきた子ども園 園長 井内 聖先⽣

学校法人リズム学園 はやきた子ども園 理事長・園長。公立中学校の教員から転職し幼児教育の世界へ。北海道の四季の自然をいかした保育実践とICTをフル活用した働き方改革に取り組むハイブリッドな園運営が特徴。

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