話題のくぼた式育児法導入研修に密着 脳科学で遊びの持つ意味を再発見

紐でつないだビーズを瓶から取り出す遊び つまんで引き上げることで上腕・前腕を鍛える

 脳科学の第一人者である久保田競氏の知識と、妻である久保田カヨ子氏の子育てのエッセンスが詰め込まれた「くぼた式育児法」の導入研修が2019年7月にカリキュラム提供元の株式会社城南進学研究社川崎本社にて行われました。参加したのは、幼保連携型認定こども園慈光こども園(熊本県球磨郡)の系列園であるSAKURA保育園。導入研修は3日間に及ぶテキスト・動画を用いた講義やロールプレイングと認定テスト合格後の教室見学を実施。講義・ロールプレイングの2日目となるこの日は、同園から施設長を含む保育者10名が参加しました。乳児コースだけでも180ページに及ぶカリキュラムをもとに、月齢ごとに適した遊びの狙いや必要な道具、ポイントが分かりやすく解説され、参加者らは理解を深めていました。

研修で紹介された教材の一部

 同育児法は、「見る」「さわる」「聞く」といった五感を働かせる遊びによって、知的活動の基礎となる思考力や創造力、行動力を育むことが大きな特徴です。例えば、目と手への働きかけを促す「ストロー落とし」(0歳児11カ月対象)はストローが入る程度の穴が空いた入れ物にストローを入れるというシンプルな遊び。講師の小関志保子氏は、「カリキュラムの狙いを理解して、親指と人差し指を使えているかどうか、両手を使えているかどうかを観察してほしい」と強調しました。ストロー落としは、牛乳パックなど身近なものでつくることができ、穴の大きさを変えたり、マジックで見せかけの穴を描いたりと、思考を促す応用が可能です。

講師の小関氏

 「やっていることは普段の遊びと同じで特別なことはない。しかし、脳科学に基づいた根拠を理解することで、これまでの保育をより正しい形で提供できる」と魅力を語る藤岡洋子理事長は久保田競氏の大ファン。「遊びの持つ意味を再発見し、先生たちに今まで以上に保育の仕事を楽しんでほしい」と夢を語りました。

執筆者
服部由実

編集長。企画・取材を担当。IT企業の広報部門に所属し、社外広報や採用活動に取り組んでいます。

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