学校法人みのり学園認定こども園みのり幼稚園(静岡県牧之原市)は、「どんな はなに なろうかな」をキャッチコピーに、園児たちが将来どんな「はな」も咲かせることができるよう、主体的に動く力の育みを教育方針としています。「どんなできごとでも、体験した・思ったことを深め、自分の力として広げて『はな ひらく』ように多くの体験を与えていきたい」と語るのは、森川道晃園長です。
その考え方は、防災にも活かされています。毎月、火災・防犯・地震などを想定した訓練を実施。毎年五月には地震体験車でも訓練します。園内には地震速報を受信し、予測震度や猶予時間、震源地が表示されるモニター付きの緊急地震速報発報端末とGPS付きのIP無線機を(株)ニシハタシステムよりリースで導入。防災におけるハード部分の整備を進めています。
3・11をきっかけに、「どうやってみんなの命を守る?」ということを突き詰めていった森川園長。「想定外」という言葉が飛び交った3・11から学び、その時その場でどれだけ柔軟に対応できるかを考え、「いざという時に、素早くかつ正しい情報を得て、判断することが大事。命を守るための『選択肢』がなくなることが一番良くない」という答えに辿り着きました。そして、その「選択肢」を瞬時に判断するために必要なのが、速く正しい情報共有です。
導入している緊急地震速報発報端末「地震の見張り番Touch」では、携帯電話やラジオよりも速く、高度な地震速報を受信できます。それは十秒ほどの違いですが、その数秒の差が命とりになることも。「より速く、より信頼性の高い機械を」ということで選びました。放送設備と連動し、園内どこでも速報を把握できます。
併せて、IP無線機「j.mobile(ジェイ・モバイル)伝」を5台利用。ボタン1つで一斉通話ができること、GPSを利用して高度な地震速報を受信できること、大規模災害時に携帯電話や固定電話では繋がらなくなる一方、「j.mobile伝」は回線の規制や混雑がない専用データ帯域による通話がすぐにできることで、判断の遅れを招く数秒の差を埋めていきます。電話ではできないその素早さを活かし、毎日のバス送迎や園外保育など、日常の情報共有手段にも役立てています。いざという時だけでなく、毎日が情報共有の訓練の場です。
「変わりゆく社会や環境の中でも常によりよい『選択肢』がある状態にしていきたい。そのためには、1度決めたり、導入したりしたら終わりではなく、日々意識を『更新』して考えることが必要。安全に家に帰ることができるという当たり前を繰り返し、笑っても泣いても、園児たちには毎日何かを学んで家に帰ってほしい」と、森川園長。その選択肢を広げる1つの手段として、数秒の差を意識した情報共有の体制づくりを、(株)ニシハタシステムとともに実現しました。