保育者の仕事にスマホ活用

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職員や保護者層の20~40代は83%に スマホでネット習慣が浸透

 総務省は平成2年から毎年、全国の世帯および企業を対象に通信サービスの利用状況や情報通信関連機器の保有状況などを調査しています。

スマートフォンによる世代別インターネット利用状況 今年7月に発表された「平成27年通信利用動向調査」によると、スマートフォン(以下、スマホ)を保有する個人の割合が初めて50%を超えました。平成26年の調査では44.7%でしたが、平成27年の調査では53.1%に達したのです。

 そして、スマホでのインターネット利用が全世代において上昇を続ける中、今回40歳代で初めてスマホでのインターネット利用がパソコンでのインターネット利用を上回る結果となりました。

 また、20代~40代のスマホでのインターネット利用は、平成26年の調査で平均76.4パーセントであったのに対し、平成27年では83.1パーセントとなり、1年間に6.7パーセントも上昇したことがわかりました。

 スマホでのインターネット利用の増加とともに、タブレット型端末での利用も右肩上がりとなっており、この傾向はすべての世代に共通しています。

主な情報通信機器の保有状況(世帯) こうした結果から、年代に関わらず、多くの人々がスマホやタブレットなどを持ち歩き、気軽にインターネットにアクセスする習慣を持つようになった社会の現状が見えてきました。

 特に、20~40代は保護者や職員の中心的な年齢層でもあります。園としては、このスマホ利用習慣に応じた情報の収集や発信を行うことで、職員の業務負担を軽減したり、保護者とのよりよい連携ができたりするのではないかと期待が集まっています。

 すでに、職員へのスマホやタブレットの支給、Webサイトのスマホ対応、クラウドサービスを利用した園児情報管理などの事例が数多く聞かれるようになってきました。保育所やこども園などへの厚労省のICT化支援補助金の活用も進む中、スマホやタブレットの普及に応じた園の情報管理と情報発信の体制づくりは加速していきそうです。

ソフトバンクも参入 連絡帳や写真販売

hugmo こうした中、ソフトバンクのグループ企業である株式会社hugmoは、保育者と保護者の両者がスマホで活用できる子育てクラウドサービス「ハグモー(hugmo)」の提供を開始しました。

 このハグモーは、連絡帳サービスの「ハグノート(hugnote)」を中心に、写真販売サービスの「ハグフォト(hugphoto)」やショッピングサービス「ハグセレクション(hugselection)」などで構成されています。コンセプトは、「未来を創る大切な子どもたちのために、子育てを最高にワクワクする楽しいものにする」。保育者が日々の保育風景を写真で簡潔に保護者に伝えたり、子どもたちの体調や生活に関することやそのサポートに必要な情報を共有したりできるしくみで、園が申し込みをするだけで保護者も無料で利用できます。

 保育者の業務負担を軽減するだけでなく専門性の向上も支援すること、そして、保護者の子育て支援も同時に果たすことを目指しており、今後も保育関連情報の共有や商品販売など、コミュニティや多彩な子育てコンテンツを随時追加していく予定とのことです。連絡帳や写真販売システムが数多くあるものの、スマホを知り尽くしているメーカーが開発したシステムとあり注目されています。

保護者にも好評 時間も有効活用

hugmo保護者アンケートグラフ

 ハグモーを開発するプロジェクトチームでは、導入園にて保護者アンケートを実施し、それまでの紙での連絡帳やおたよりから同サービスに切り替わったことに対する感想を分析しています。

 これによると、園での様子は確実に保護者に伝わりやすくなり、スマホを活用した情報共有のしくみは歓迎されていることがわかります。

 また、「時間を有効利用できるようになった」との回答が九十七・四%あり、このようなしくみは保育者だけでなく、保護者にとっても時間の有効活用につながるのが導入の効果と言えます。

連絡帳サービスで事務量は激減 保育の質向上にも

齋藤 武 園長
齋藤 武 園長

 いち早くハグモーを導入したのは、社会福祉法人ユーカリ福祉会 市川保育園(千葉県市川市)です。齋藤武園長は、「とにかく保育士は事務量が多い。保育の合間に書類を書くのは本当に大変なこと。ただ、保護者と連携するために重要な情報を取り扱っているので、それを欠かすことはできない。それならば、より今の時代にあったサービスであるハグノートを使おうと導入を決めた。連絡業務が効率的になることによって、子どもと関わる時間が増えたことが1番の良さ。保育士の事務負担が軽減できるだけでなく、家族の皆さんにも保育の様子を知ってもらい、総合的な子育ての支援につながれば」と語ります。

 同園に勤務する保育士は、「紙にペンで書くときは大きな字で書いて連絡帳のスペースに書ききれなくなってしまったり、間違えたら修正ペンで直したりするのに時間がかかっていたが、スマホだとすぐに直せる。使い慣れているので操作は簡単。読み返しながらボリュームを気にせず伝えたいことをまとめられるようになった」と言います。

 また、別の保育士も「音声入力も思いのほかうまくできた。午睡中に10分前後で連絡帳が記入できるようになり、他の仕事を進める余裕ができた。これまではデジカメで撮影した写真をパソコンに取り込むのが面倒だったが、スマホなら撮影した写真をそのまま利用できる。日中の活動の写真を気軽に撮影し、活用できるようになった。保育活動中の一枚の写真がきっかけで、『子どもと楽しく過ごしてくれてありがとう』『面白かったよ』と保護者に言ってもらえると嬉しく、やりがいにもつながっている。さらに面白い写真を撮影しようと考えたり、他の園児ともやってみようと考えたりする。お父さんも会社で見てくれるようだ」と笑顔で語ります。

 ごく一部にスマホを持っていない保護者がいたものの、時代の流れを受け、大勢の保護者と職員へのプラス効果に期待して導入を決断した齋藤園長。ハグノートの活用で、職員が保育の質の向上に努められる環境をつくること、保護者との連携を深め、家庭や地域と一体になった保育を実践すること、そして、より地域に根差した園になることを目指す市川保育園です。

保護者が実感する導入メリット

保護者

  • 子どもの様子を自分の時間に応じて確認し、心のゆとりが持てるようになった。
  • 保育中のちょっとした写真に臨場感がある。子どもと写真を見ながら話をする貴重な時間が増えた。
  • 園内のお知らせボードを見忘れることがあったが、スマホでいつでも確認でき、安心感が広がった。
  • 給食のメニューをスマホで確認してから、夕食のメニューを考えて買い物ができるので、便利になった。
  • ママ友たちとのLINEグループで行事や持ち物について情報共有をしていたが、各自で確認する習慣ができた。
  • 感染症情報を参考に、家庭でも予防を意識する機会が増えた。
hugmo(ハグモー)
執筆者
鈴木あゆみ

パステルIT新聞編集長。特集の企画・ライティングほか、紙面全体の編集を担当しています。

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