
この記事のポイント
- 地域の園と連携し災害時に備える「NS支援協定」を開始
- 共助の鍵となる情報共有をIP無線機でスムーズに実現
- 事前試用で災害時も落ち着いて情報共有できる体制づくり
「山火事の被害が拡大」「集中豪雨による浸水」など、気候変動による災害が、今や私たちのすぐそばで起きる身近なものになっています。中でも地震は予測が難しく、発生から初動までの間に余裕がありません。だからこそ、普段の備えが迅速な対応につながります。
「共助」のしくみを情報共有で整える
こうした背景の中、株式会社ニシハタシステムでは、突然の災害が起きても、できるだけ早く子どもたちの安心した日常を取り戻せるよう、園の早期復旧を支援する新しい取り組みを始めました。それが「災害時の応援協定 NS支援」です。この協定では、地域の園同士が災害時にも円滑に連携できるよう、保育連盟などの関係団体と事前に支援の協定を締結。災害が発生した際には、保育団体にIP無線機を無償で迅速に提供します。同社専務取締役の西畑進太郎氏は、「災害時には、『自助』(自分で身を守る)、『公助』(行政などによる支援)、そして『共助』(周囲と協力し合う)の3つが重要」と話します。「個人の力だけでは限界があり、公的支援もすぐに受けられないことがある。だからこそ、日頃からまわりとつながり、助け合える共助のしくみをつくることが大切」と続けました。

情報のやりとりが連携と安心の土台に
能登半島地震では、「オールこども石川」が立ち上がり、被災した保育施設へ迅速な支援が行われました。当時の話を聞く中で、西畑氏は共助の要となる情報共有の重要性を再認識。本取り組みを立ち上げました。「自園の状況を伝え、周囲を知ることが共助の出発点。IP無線機をその手段として活用してほしい」と語ります。現在、複数の保育団体と協定締結に向けて協議中。災害前からIP無線機を試用し、慣れることで、いざという時にも落ち着いて情報共有できると期待されています。情報を届け、支え合うしくみが、協力と安心の輪を広げていきます。















