近年、保育業界でもメンタルヘルスケアの重要性が意識されるようになってきました。しかし、忙しい日々の業務の中で、保育者を個別にケアしていくことは、現実的には難しいものです。そこで私は、「保育士のコンディションを見える化することで、不調になる前にケアできる仕組みを作ること」を提案しています。
例えば、私が顧問医を務めるある保育園グループでは、毎月数問の質問に回答する「従業員サーベイ」を導入しました。このサーベイには自由記述欄があるのですが、そこに保育者がこれまで口に出してはいえなかった「小さなSOS」が書かれるようになりました。これらのSOSをもとに、働く環境整備の施策に生かしたところ、提携する私のメンタルクリニックを受診する必要のある保育者は減り、近年では0人になったのです。
保育の質を一手に担っているのは実際に子ども達と触れ合う保育者であり、保育者が安心して働けるようなサポート体制が求められています。保育者がメンタル不調になる前に手を差し伸べられる環境づくりを、ぜひご検討いただきたいと思います。
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