新型コロナの影響で急増した動画配信
新型コロナウイルスの影響を受け、パステルIT新聞事務局には、インターネットを介して自宅待機中の園児や保護者と園をつなぐ動画配信の方法についての問い合わせが多数寄せられました。アフターコロナに向けて、ICTの活用をこれまで以上に検討する園が増えていることがわかります。新型コロナウイルスの影響が長期化することを見据え、「withコロナ(新型コロナウイルスと共に生きる)」の思考のもと、新しい生活様式に変化させる動きが社会的に高まる中、園の経営にはICTを上手に活用することが求められることでしょう。
パステルIT新聞が2020年3~5月にかけて実施した読者アンケートによると、回答数152カ園の内、8割以上の園が「ICT活用に興味がある」と回答。すでにICT活用を実施している園の中で、約6割と最も多くを占めたICT活用は、園児名簿の管理でした。また、登降園の時間の打刻をシステム化したり、預かり・延長保育で発生する計算を自動化したりするICT活用は約5割。インターネット上での写真販売や指導計画・日誌の電子化を実施している園は、約3~4割でした。一方、これから実施したいと考えているものとしても、指導計画・日誌の電子化が最も多い結果でした。一部には、SNSを使った保護者への写真送信やビデオ会議を今後導入したいと回答した園も。そうした中で、新型コロナウイルス影響下で急増したのが、動画配信です。
保育者同士の交流 オンラインで
ビデオ会議も含めた動画は、離れた場所にいても表情や声色などがわかるため、園児や保護者たちとの相互的な触れ合いや手遊び・ダンスなどのコンテンツ提供に、保育者の多くが今最も活用しているICTです。今や、インターネットにつながったタブレットやスマートフォンを使えば、簡単に動画を撮影、編集、SNS配信でき、保護者が見るLINEやFacebookにて動画を配信する園も増えました。
また、こうした前代未聞の状況下で生まれる悩みを保育者同士が相談し合うオンラインの交流の場も動きが活発化しています。企業・教育機関の中には、そうした場をセキュリティ対策や限定公開をし、安心・安全な場として提供するところも。オンラインでのコミュニケーションに注目です。
執筆を終えて
すべてをオンラインにすることを薦めているわけではありません。もちろんリアルな場ならではの体験や気づきがあるはず。しかしその逆も然り。オンラインの交流の場だからこそ、普段会えない人との接点が生まれ世界が広がることも大切に(八木)