2020年4月6日現在、認定こども園ふじおか幼稚園のある栃木県栃木市内の保育・幼児教育施設では、保護者の判断の元、自由登園といった形で子どもを預かるケースが多く、同園でも仕事などの理由から保育を必要とする保護者を中心に任意で受け入れを行ってきました。
しかし、不要不急の外出自粛に伴い、ストレス発散の場を失った子どものケアは想像以上に大変なもの。同園には、自宅で子どもと過ごしている保護者や未就園児の保護者から子育ての相談が寄せられるようになりました。
「何かお手伝いできることはないか」。日に日に想いが募る一方で、感染拡大予防のため、園の開放やイベントの実施はできません。そうしたもどかしい状況に置かれていた同園に届いたのは、同園の公式Youtubeチャンネル「ふじおか幼稚園TV」を見た保護者から届いた安堵のことばでした。
「子どもと一緒に見て楽しい時間が過ごせました。救われました」
「こんな時期ですが、子どもと楽しく拝見しました」
このことばに新たな気付きを得て、同園が取り組みはじめたのが、現役保育者による家庭でも遊べる手あそび動画の配信です。手あそびは、保育者がよく保育活動前に子どもの興味を引くために行う遊びの1つ。数やリズムに合わせたものなど種類も豊富で子どもの発達や学びに良い影響を与えるとされ、道具や広い場所も必要としません。
「保育者にとっては普段何気なく行っている遊びでも、家庭で子どもと楽しい時間を過ごす手段として役に立てるのではないか」
こうした想いから同園は、0~2歳児向けに手あそびを紹介する「あず先生の保育のちょこっとあそび」と3~5歳児向けの身体を動かす遊びを紹介する「りお先生のアクティブあそび」の配信を開始。先生たちによるゆっくりと丁寧なレクチャーの後は保育室へと場面が切り替わり、続く実際の保育シーンでは登園している子どもたちが出演しています。外出を控えている子どもたちにとって、画面越しでも友だちや先生たちに会えることは心躍るもの。動画を見た子どもの楽しそうな表情は保護者にとっても救いとなっています。
まず保育者が立ち上がるチカラを
1955年、戦後の荒れた時代背景の中、「子どもが笑顔で自分の足で歩いて行けるように」と小さな寺子屋からスタートしたふじおか幼稚園。以来、「立ち上がるチカラ」を教育目標に掲げ、「やりぬく力」「やる気」「自制心」「協調性」「社交性」の5つの柱を通じて、認知能力と非認知能力を育むことを大事にしていきました。
その理念について、「職員1人ひとりがこの教育法を理解し、何をすべきかをよく突き詰め、知識やスキルだけではなく、子どもたちが自ら考え行動することができるような『立ち上がるチカラ』を育てたい」と市村弘貴園長は語ります。
今回の動画配信は、新型コロナウイルスという逆境に対し、園や保護者、子どもたちの「立ち上がるチカラ」を育む1つの手段。同園の原点でもあるその想いが、園内外の親子に広がっています。
YouTubeチャンネル作成方法
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