Apple TVとの併用で活用の幅広がる 園における「電子黒板」の可能性

電子黒板を設置した学校法人リズム学園の井内聖学園長。全職員に給付しているiPod touchも活用
近年、教育機関での導入が進む電子黒板は、働き方改革や子どもたちの学びに一役買う可能性を秘めています。その活用方法を取材しました。

 文字や図、イラストなど書きこんだ内容を電子変換することで、プリンタ出力やデータ保存、スキャン送信ができる電子黒板が、教育現場で注目を浴びています。文部科学省は2022年度までに全国の全公立学校の普通教室に電子黒板を整備することを目指し、神戸市では2019年度から3年間で市立の小・中・高校と特別支援学校、義務教育学校、高等専門学校の全ての普通教室に導入する方針を決めました。その動きを受け、近年では、電子黒板に注目する園も増えています。

 電子黒板活用のポイントは働き方改革にもつながることです。例えば職員会議に使用した場合、印刷や板書の内容を接続したUSBに保存することができるため、新たに議事録を作成する必要がありません。

 さらに、活用の幅を広げるのが、Apple TVなどメディアストリーミング端末との併用です。Wi-Fiまたは有線LANでインターネットに接続し、動画配信サービスの視聴やアプリの利用などができるようになります。これにより、iPhoneやiPadの画面ミラーリング(端末の画面をテレビ画面などに表示すること)が可能になるため、園内のライブ映像や撮影したばかりの動画・写真を電子黒板上に表示し、子どもたちと共有することができます。

Apple TV

 実際に電子黒板とApple TVを接続して利用している学校法人リズム学園(北海道勇払郡安平町)では、iPod touchの画面をミラーリングし、園外保育で撮影した写真を電子黒板上に表示し、「大きなノコギリクワガタだね。ギザギザの角があるよ」などペンで角部分を色付けしたり、発表会で披露する歌やダンスの練習動画を振り返ったりすることで、子どもたちの「わかる」「できる」を一層深めることに役立てています。働き方改革に、子どもたちの学びに、心強いツールとなりそうです。

学校法人リズム学園
執筆者
服部由実

編集長。企画・取材を担当。IT企業の広報部門に所属し、社外広報や採用活動に取り組んでいます。

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