人々の心の脆弱性に付け込むデマ シェアする前に一次情報の確認を

新型肺炎の世界的な流行に伴い、国内でも混乱が続いています。買い占めによる品薄や、誤った感染予防法など、実に多くの誤った情報が出回り、多くの人が振り回されたのは記憶に新しいのではないでしょうか。

 2月末、SNSで「マスク増産に伴ってトイレットペーパー原材料が不足」という誤った情報が拡散され、各地でパニック買いが発生。本来在庫が十分なはずのものが店頭から不足する事態になりました。また、「予防効果あり」などのコピーで健康食品やサプリを販売する広告や、買い占め騒ぎに便乗して値上げする商法も問題に。効果を裏付ける根拠はないとして消費者庁が注意を促しています。

 LINEリサーチ(3月2日実施)によると、新型コロナウイルスの日本国内での感染に関して心配な点に「悪質なフェイクニュース・デマが出回っている」が52%(前月比39%増)と、溢れかえる情報に多くの人が戸惑いを感じていることがわかります。連日、テレビや新聞、そしてネット上にも膨大な情報が溢れています。信頼できる情報元を押さえておきましょう。

専門家の声 NPO法人イーランチ 理事長 松田 直子氏

 連日、新型コロナウイルスに関しては、ネットに膨大な情報が溢れており、中には信頼できない偽情報や騒動に乗じたデマも交じっています。人は強い不安を感じる状況に陥ると、わらにもすがる思いからデマや嘘を安易に信じたくなるもの。さらに、「周りの人たちにもこの情報を知らせなくては」と、悪意なく伝えてしまう可能性もあります。2月末に出回った「お湯を飲んで予防」は、LINEで拡散されたために、家族や友人からのメッセージだからと信じてしまった人も多いようです。

 ネットがここまで定着した中での世界的な感染拡大は人類初のこと。煽動的な情報に振り回されることなく、冷静に一次情報を確認する習慣を身に付け、この時期を乗り切りましょう。

首相官邸「新型コロナウイルスへの備え」
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」
NHK 特設サイト「新型コロナウイルス」
執筆者
芦川桃香

取材・執筆を担当。地方IT企業の広報目線で、地元企業の採用活動やオンライン配信などを支援。

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