GoogleAnalyticsでわかる! 変える!
新学期に備えWeb解析 園の目的に合った運用を

学校法人足立学園認定こども園リーチェル幼稚園は、2021年にWebサイトをリニューアル予定。今回特別に、足立園長と制作担当のWebデザイナーによる対談が実現。リニューアルのポイントを聞きました。

リニューアルを考えたきっかけは何でしたか?

足立先生
今のサイトを制作したのはもう10年くらい前で、どちらかというと在園児向け。セミナー後に申し込んだオンライン相談で、「これからは未就園児向けや学生・求職者向けのコンテンツを伝える方向に変わってきている」という話を聞いて、自分の中でも「そうだよな」と思っていたところをズドッと言ってもらえた。それで、リニューアルをしようって決めました。

Webデザイナー 山本
オンライン相談の申込リストに企業のマーケティング担当者の名前が並ぶ中、リーチェルさんの名前を見つけたときは驚きました。「ついに園の先生とアクセス解析の話をする日がきた」ってワクワクしながらZoomをつなぎました(笑)。

自分の視点と見る側の視点切り離して考える


足立先生
あはは。でもセミナーに参加して、本当にびっくりしたんです。たとえば、サイト内で閲覧したページの順番を辿ると、その人が学生なのか、保護者なのか、それとも新しく入園しようとしている人なのかが想像できる。それに、「ここでサイトから離れているということは、知りたい情報を知れて満足したのか、それともなかったのか」ということも言われていて。「じゃあ足りないのかな?」というように改善の糸口にもなる。GoogleAnalyticsの使い方さえわかれば、素人でも知りたいことを知れるんだなって驚きました。

園が求めるターゲットとWebサイトの役割を明確に

リニューアルのポイントはどこでしょうか?

山本
 今のサイトの良い点は、園の環境がわかりやすいコンテンツが揃っているところですよね。園舎・園庭を俯瞰できるマップがあって、アイコンをクリックすると遊具や施設の説明が表示される。Googleインドアビューで園内の様子も見られるので、どういうところに気を付けている設備なのかがよく伝わります。

 ただ、足立先生もおっしゃっていたように、今は在園児向けのコンテンツが前面に押し出されているので、リニューアルにおいてはターゲットとWebサイトの役割を明確に決めておくことが大事ですね。

 園の場合、ターゲットは未就園児保護者、在園児保護者、学生・求職者の大きく3つ。共通するところもありますが、それぞれ見たいページは違います。学生・求職者の方は求人情報や園を見学できる機会を知りたいし、未就園児保護者は未就園児教室の情報や入園先として安心できるかどうかを知りたい。「一番、重要視するのは誰か?」を決めて、そのターゲットにどんな行動をとってほしいかを意識することが大切です。

足立先生
 そうですね、一番を決めるのは難しくて、正直「全部」です(笑)。たとえば、在園児にはブログを通して子どもたちの育ちを、未就園児には園の理念や日々の保育活動、未就園児教室などのお知らせを、学生・求職者にはそれに加えて待遇面などの求人情報も伝えたい。リニューアルに合わせて園のプロモーション動画や採用動画も制作するので、子どもたちや先生たちのよりリアルな表情を伝えていきたいと思っています。

 ただ、給料や待遇といった求人情報については、学生にはわかりやすい導線で伝えたいけど、保護者にはあまり知られたくない情報です。そこは、全部を重要なターゲットとした場合、難しいところですよね‥‥。

山本
 大切なのは、学生・求職者の方が求人情報に辿り着かないままサイトから離脱してしまわないように、サイト内で迷子にさせないようにすることです。あとは、Indeedなどの外部サービスに園のURLを掲載する際に、直接、求人情報のページを掲載するのも一つの手ですね。

今回は動画制作にも取り組まれるんですよね。

足立先生

 そう、初の試みです。最初は先生たち手づくりの動画も味があっていいなと思っていましたが、「まずはちゃんとしたものをつくってもらおう」と思って、プロにお願いすることを決めました。

 それに、僕らも気づかない部分で、違う立場の人が見たときに初めてわかる園のよさもあるんじゃないか、という期待もあります。実習生が来たときも、図書の貸し出しや食育、保育の何気ない一コマに感動してくれることがある。園内で自製しようとすると、結局、自分たちが知っている目線でしか撮れない。「園を知ろうとしている人」がつくるものには、新たな魅力が出てくる可能性があるんじゃないかって思います。

サイトも同じですね。動画の時代、サイト運用はどう変わるでしょうか?

山本
 今までのWebサイトは基本、文字と写真で見せるもの。動画によって声や表情、動きが伝わることで、よりリアルな園の様子を伝えられるようになるのは大きな変化ですよね。

足立先生
 そう。ただ、これまで文章で書いていたような思いや行動の意味を、動画に表せるかどうかがとても難しい。やはり保育は「心の育ち」なので。「今、一回ためらったあとに友だちに貸したでしょう? ここですよ!」というような説明が大事なんですよね。

山本
 そうですね。動画が出てきたからといって、写真や文章がなくなるわけじゃない。文字コンテンツが刺さるのは「知りたい「読みたい」という気持ちがある能動的な人。一方で動画は、眺めているだけで情報が入ってくるので受動的な人にも刺さりやすい。両方使っていくことが大事で、今まで伝わらなかった人たちに園の魅力を伝えるということが叶うんじゃないかなって思っています。

足立先生
 そうですね。そう期待したいです。

実践園の声 リーチェル幼稚園(静岡県富士宮市)

「心身ともにたくましい子に」という園目標のもと、さまざまな体験を提供。

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執筆者
服部由実

編集長。企画・取材を担当。IT企業の広報部門に所属し、社外広報や採用活動に取り組んでいます。

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