「原点回帰~子どもの未来をつくる人~」は、保育・幼児教育において大切にしたい原点を園長先生が語るコラムです。今回は、認定こども園七松幼稚園の亀山秀郎園長の「原点」を教えていただきました。
生活の中にAIが入り込み、世の中の流れで園業務や保育の中にもICT化が進む昨今ですが、一体何がこれからの子どもたちに求められるのでしょうか。園生活で、子ども達に対して、改めて直接体験の大切さを考えさせられます。
学生時代、恩師の山田卓三先生に直接体験の中でも、触、味、嗅を伴った形で、視覚、聴覚による体験が大切だと学びました。自分が子どもの頃、先代園長と共に蛇が出そうな山や、おぼれそうな湖で、ハラハラするような体験は、今生きる中の自信に繋がっており、原始的な体験程、子ども達の心と体に体験の価値が染みこんでいくことを、実践を通して感じます。
泥だらけになる体験、生えている草木を摘んだり取ったりする体験、たき火をして赤い火を見、煙たい体験を、如何に幼児教育を通して実践するかを考えています。自園では、敢えて1本1本マッチを擦ってカートンドックに火をつける実践にも挑戦しています。我が子もお泊り保育で、熱い思いをしてマッチを擦り、出来上がったお焦げのあるホットドックを美味しく食べたことは良い思い出です。
できる範囲は、日常の保育の中でできるものから、行事や保護者との協力で行うもの等、一人で考えてもうまくいきません。最低限の安全面への配慮を行った上で、教職員、地域、保護者と共に、その体験の大切さに共感してもらえる仕掛けづくりが園長の務めだと思っています。皆さんも子どもの頃に体験したことをみんなと創っていってはいかがでしょうか。
認定こども園七松幼稚園 園長 亀山秀郎 先生
学校教育学・博士。幼少期は喘息持ちだったが、学生時代3泊4日の幼児キャンプに参画。園のICT実践は文部科学省やOECDの報告書にも掲載されている。
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