教えて!森脇さん 後編「知りたいことが集まるのはなぜ? 連絡帳が持つ潜在的な力」

森脇 潤一(Moriwaki Junichi)氏

 岡山県生まれ。博報堂DYグループを経て、(株)リクルートマーケティングパートナーズ入社。保育園と保護者をつなぐコミュニケーションサービス「kidsly(キッズリー)」を企画・開発。まなび事業本部 事業開発部 保育支援推進リーダー

保護者が連絡帳を持っ ているときには?

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社)山ゆり会 まつやま大宮保育

 連絡帳は子どもの情報を伝え合う大切なツール。手書きにこだわり、保護者に手渡しするという園も多いですね。

 ところで、連絡帳を保護者が持っているときでも、園がその内容を確認する手段はありますか?この問いかけに、ハッとする先生は、連絡帳の在り方を見直す良い機会かもしれません。丁寧に記録し、大切に扱っている連絡帳。しかし、その情報を欲しい肝心なときに、活かすことができないかもしれないからです。デジタルの連絡帳であれば、必要に応じていつでも確認ができ、データ管理の安心感も高まります。そういう環境は、今後ますます必要になりそうです。
 

行動を変える力もある

 あまり連絡帳を書かない母親が、デジタル化したら熱心に書くようになった事例があります。手書き習慣になじみがなかったようです。連絡帳の文字数だけでは子どもへの想いは測れないものですね。阻害要因を取り除くことで、母親の行動が自然に変わりました。

 父親も連絡帳を書くようになったという話も聞きます。自ら検温をしたり、奥さんに子どもの様子を聞いたりしながら記入するようです。夫婦で子育てをする機会につながっています。

 土日に楽しんだことを写真付きで書いてくれる保護者もいるそうです。成長記録だから思い出も残しておきたいという親心。月曜は子どもと先生の会話も広がります。

 今や言語の一部となった絵文字や顔文字。それだけで場を和らげ、微妙な感情を伝えてくれるので、記入時間が短くなるだけでなく、先生の表現力も豊かになっています。

 連絡帳を軸に、みんなの行動が自然と変わり、お互いが知りたい情報も集まるから不思議です。連絡帳にはまだまだ潜在的な力がありそうですね。

キッズリー

 保育に関わる様々な業務を支援しながら、保育園と保護者のコミュニケーションを深めるサービス。写真共有、連絡帳、登降園管理、個別連絡などの機能が無料で利用可。

執筆者
鈴木あゆみ

パステルIT新聞編集長。特集の企画・ライティングほか、紙面全体の編集を担当しています。

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