保護者との信頼関係を築こう! 個人懇談会についてのまとめ

 個人懇談会といえば、保護者と1対1で全員と話をするとても労力のいる時間です。いつもどんな話をしているでしょうか。親としては、先生がどんな話をしてくれるのか心配でもあり、楽しみでもあります。では、親としてもどういった話が聞きたいのかということも含めてまとめてみました。

なぜ、個人懇談会をするのか

 家庭と園との連携を図り、育児や保育に役立てるために、家庭での子どもの様子を聞き、また園での様子も伝えるため。また、お迎えの時など、他のお母さん方がいるときに聞かれては困るような内容の話をすることができるため、この機会に話ができる。(この場合は行事で決められた日程に限らず、放課後などに来てもらって話す機会を作る必要がある)そして、バス通園の方の場合は、あまり顔を合わさないことが多いので、この機会に向き合って話ができ、コミュニケーションが取れるため。

進め方

  • まずは子どもの家での様子を聞く。
  • 保護者の心配なことや気になっていること、注意してほしいことなど。

  • 幼稚園での様子を伝える

新年度初め(4月5月初旬)

 まず新年度が始まり、初めての懇談(家庭訪問を行う園もありますね)では子どもの園での様子はまだ詳しく知ることができておらず、伝えられる情報も多くありません。4、5月の懇談会では、子どもと親の顔が一致するように覚えられるといいですね。そして、子どもの家庭での様子を主に聞いたり、新学期が始まり喜んで登園しているか、アレルギーや身体的に注意すべきことを聞いておきましょう。聞くことによって、そこから話が広がり、いろんな情報を得ることが出来ます。それから、園での子どもの様子を伝えられるといいですね。

  • 登園してきたときの子どもの様子。笑顔で元気に登園しているのか、少し緊張した表情なのか。
  • 先生の話を座ってきちんと聞けているか。
  • お友達と遊んでいるか、また、まだ新しいクラスの様子を伺っている様子で1人で遊んでいるのか。
  • 何をして遊んでいるか。

 そこまで、一人ひとりのことを把握するのはこの時期ではまだ難しいですが、そんなちょっとした話をしてもらえると親は安心しますし、先生に対しても「よくみてくれている」と信頼も持てるでしょう。そういった話ができるようにするならば、毎日の保育でこまめにメモを取って、ちょっとした簡単なことでもいいですから個人的な内容も細かく書き留めておきましょう。※ただし、話す内容や量に大きく個人差が出ないように気を付けましょう。Aちゃんの幼稚園の様子は沢山伝えたのに、Bちゃんの幼稚園の様子は一言、二言・・・では、うちの子はあまり見てもらえていないのでは、と親は不安になります。親は親同士、懇談ではどんな話をしたか? など聞き合ったりしていますよ。※また、よほどでない限り、この時期の段階でいきなり悪いことなどを伝えるのはトラブルの元です。気になることがあっても、その内容によってもう少し様子を見てから切り出すことも必要です。

学期末や二回目以降

 1回目や2回目以降ももちろん、「聞く」ことが大前提です。家庭で園のことを子どもが話している場合は、どんなことを話しているのか。また、どのお友達の名前が出ているかなども聞いても良いでしょう。意外と担任が見ている様子と違ったことを話していることもありますので、自分が把握していることと違う情報を聞けることがあります。また、園生活に慣れたころですから、園での様子をしっかりと伝えましょう。その子の成長した点や、課題となる点なども伝えていきましょう。4、5歳児になるとお友達同士の喧嘩やトラブルなどが増えてきます。その時の子どもの様子、また担任はどのような考えでどんな対応をしたかなども伝えられるようにしておくことが肝心です。

個人懇談の注意事項(懇談に限らず、普段の会話でも気を付けましょう)

  • 一方的にこちらから話さないこと。 
  •  先にこちらから何でも言ってしまうと、もし親に違った意見があったり言いたいことがあった場合は親というのは先生に対してなかなかそれ以上言い出せません。もし問題が起こった場合にこじれてしまうと、この先生は『聞いてくれない先生』『決めつける先生』と思いこまれ、修復するのは難しくなります。

  • 言葉遣いや伝え方に十分気を付けること。
  •  良いことを伝えるときはさほど気にせず話しても、褒められているので問題はありませんが、特に良くないことを伝えるときにはよく言葉を選んで伝えることが大切です。そして、親が自分の子どもを面白おかしくけなしたり悪く言ったりすることがよくありますが、先生は絶対にこれに同調したり話に乗ってはいけません。どんな人でも、自分で言うのは構わないが、人に言われたりウンウンと頷かれるだけでも嫌なものです。どれだけ慕ってくれている保護者に対してでも、してはいけないことです。

  • 悪いこと、注意してほしいことを伝えるときは
  •  そのことを伝え、それに対して保育者はどういう対応・援助をしているのか、その後変化があるかないかを伝える。そのうえで、家庭での様子はどうか、どうしていったら良いかを話し合っていく。また言いっぱなしではなく、懇談後に改善された場合はもちろん報告し、また経過観察中の場合も継続して連絡を取り合っていくことで信頼関係が築いていけますね。絶対に言いっぱなしにはならないこと!

  • 把握していなかったことを言われたり、聞かれたりした場合
  •  誰でも、気付かないことがあったりすることはあります。ましてや新任で初めての担任であった場合は特に目が行き届かなかったり、うまく話せないこともあります。もし、気付いていないことがあったり、その場ですぐに受け答えできなかった場合には「申し訳ございません。また様子を見て報告させていただきます」と素直に伝え、後日必ず報告し誠意を伝えましょう。後のフォローをしっかりと行うことで安心してもらえるはずです。 

 保護者と一人ひとり話をすることで今まで知らなかった情報が増え、子どもと関わるきっかけができます。今後の保育に生かせる良い機会ですから、保護者から聞いた内容もその場でメモに取っておきましょう。
 また、子どもに個性があるように、保護者もいろんな方がいらっしゃいます。中にはモンスターペアレンツと言われるように、驚くようなことをおっしゃる方もいるでしょう。そのような方に対応できない場合は、その場であいまいな対応をせずに一旦話を取り置き、後日再度話し合うなどの対処をしましょう。また、主任や園長などに同席してもらうことも1つの方法ですね。
 

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