行映像世代のお母さんたちへ 視覚と聴覚の両方に働きかけ

ノートパソコンにプロジェクタを接続。舞台上にスクリーン
学校法人真光学園暁幼稚園(静岡県焼津市)では、5年前から入園説明会にパソコンとプロジェクタを用意し、スライドを使った入園説明を行っています。導入のきっかけや、気になる保護者の反応について、園長の高田路久さんに伺いました。

 入園説明会にパソコンを活用するのは今年で6回目です。それ以前は資料を説明するだけでしたが、高田さんは映像世代のお母さんたちに視覚と聴覚の両方で情報を受けとってもらえれば、これまで以上にメッセージが伝わるのではないかと考え、スライドを作ることにしました。スライド作成に使用するのは、プレゼンテーションソフトの定番「パワーポイント」(実売3万円弱、教育関係者にはお得なアカデミック版あり)。タイトル、教育目標などを大きめの文字で書き、周囲は動物や乗り物のイラストで飾ってみました。入園説明会には、小さな子どもたちも一緒に来ているので、「あっ、見てごらん、くまさんがいるよ。」などと、お母さんがスライドを指さす様子が見られます。

 「例えば、『当園は、自然体験を大切にしています』と話すより、たけこ掘りやれんげ摘みの写真を見せたほうがイメージがわくでしょう。」お母さんたちは子どもたちをあやしながらも次々とスクリーンに映し出される写真に注目しています。

 一年に一度、入園説明会の前に行う作業も、前年度のファイルを開いてタイトルや教育目標を入力し直したり、よりよい写真に差し替えたりするなど、部分的な修正で済むので、準備も効率的になりました。

映像世代のお母さんたちへ 視覚と聴覚の両方に働きかけ(サブ1) タイトルスライドは動物のイラストで飾った
映像世代のお母さんたちへ 視覚と聴覚の両方に働きかけ(サブ2) 大事なことはスライドに大きな文字で
映像世代のお母さんたちへ 視覚と聴覚の両方に働きかけ(サブ3) れんげ摘みは女の子が大好きなあそび
映像世代のお母さんたちへ 視覚と聴覚の両方に働きかけ(サブ4) 大きな竹の子がとれて喜ぶ子どもたち
映像世代のお母さんたちへ 視覚と聴覚の両方に働きかけ(サブ5) 心の教育として取り組んでいる坐禅
映像世代のお母さんたちへ 視覚と聴覚の両方に働きかけ(サブ6) 精神を落ち着かせて書道にも挑戦

PTA活動に触発されて

 一方で、気がかりだったのがホームページの更新でした。園長として情報発信に関わりたいと思いつつも実践できずにいたのです。ところが、今年のPTAの皆さんがブログを始めたことに触発されました。もともと、更新システムを組み込んであったため、情報の入力が習慣づけば更新は意外と簡単でした。「保護者から暑中見舞いに『ホームページを見ています。』と書かれていたり、『この頃頑張ってますね。』と声を掛けられたりすることがありました。こうした反応があると、ますますやる気になりますね。」と高田さん。

 入園説明会のスライドやホームページを通じて伝えたいのは「子育ては、ひとりではなく一緒に楽しもう」というメッセージ。すでに多くの保護者に届き、共感を呼んでいるようです。

映像世代のお母さんたちへ 視覚と聴覚の両方に働きかけ(枠内)
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園長 高田路久さん
長谷山信香院の住職でもあります。

執筆者
鈴木あゆみ

パステルIT新聞編集長。特集の企画・ライティングほか、紙面全体の編集を担当しています。

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