鼻緒をぎゅっと掴んで、健康的な足元を育む「ぞうり保育」

 巨大な遊具のような園舎、移り変わる四季や小さな生命と出会う園庭、遊びが無限に広がる玩具、身体を自然と動かしたくなる遊具など‥‥、園のなかには、子どもの育ちを願ってつくったしかけが隠されています。「子どもの遊びと学びの秘密」では、そのしかけに注目しました。今回、紹介するのは、神奈川県相模原市の幼保連携型認定こども園 大沢幼稚園が実践する「ぞうり保育」です。

足を支え、体のバランスをとる「土踏まず」を自然と形成

室内履きとして屋内で過ごすときに履く赤い鼻緒の「赤ぞうり」、戸外へ出かけるときに履く青い鼻緒の「青ぞうり」。全国でも珍しい「ぞうり保育」を実践する大沢幼稚園の子どもたちにとって、ぞうりは日常のマストアイテム! 鼻緒をぎゅっと掴んで歩くことで足指の力や踏ん張る力がつき、体を支える健康的な足元を育んでいます。

ぞうりを履き、思いっきり遊ぶ大沢幼稚園の子どもたち
大沢幼稚園の特徴として「ぞうり」は日常風景の一つに

秘密のしかけ人 ぞうり

足を支え、体のバランスをとったりクッションの役割を果たしたりする「土踏まず」。立つ・走る・跳ぶ・踏ん張る・よじ登るなどの基本動作に影響し、体力増進や喘息などの疾病対策に有効だと言われています。そうした子どもの発達に欠かせない土踏まずの形成に、「ぞうり」の鼻緒は効果的! 足指の力がつくことで踏ん張る力がつき、転びにくく疲れにくい力強い足元に。歩いて、走って、飛び回りたくなるような自然なしかけが「ぞうり」にあります。

立つ・走る・跳ぶ・踏ん張る・よじ登るなどの基本動作の発達を支える「ぞうり」
幼保連携型認定こども園 大沢幼稚園 長友六月園長

現代の子どもたちは土踏まずの形成が難しい生活環境にあります。当園では日常的にぞうりを履き、土の感触や芝生の気持ちよさを感じながら足裏を刺激し、発達を促しています。

長友六月園長
幼保連携型認定こども園大沢幼稚園のぞうり保育の詳細はこちら
執筆者
服部由実

2021年より4年間、編集長を務め、現在はIT企業の広報部門に所属する立場から企画・取材を担当。

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