
この記事のポイント
- こども園から車で10分の場所に療育施設を開設。開所初月から約10名が利用
- フランチャイズ支援で実現した児童発達支援事業。開所や持続的な運営の道筋が見え安心感も
- 専門家と職員による声かけが早期利用を後押し。こども園と療育施設の連携も強化
療育施設「めだかのこころルーム」が開所したのはこども園から車で10分の場所。開所初月から約10名の利用者が集まり、現在は17名。うち16名は在園児です。
背景にあったのは、個別支援を必要とする子どもの増加、外部の療育施設との連携の難しさでした。療育施設に通う園児がいても、発達に関する相談が施設側と十分にできない状況に不安を抱えていたそうです。
「障がいに関わらず一人の子どもとして受け入れ、必要な支援をする。誰もが生活できる園でありたい」
療育が必要な園の子どもたちにできることを考えていた三好美穂園長たちは、「フランチャイズのサポートが受けられるのならば」と、児童発達支援事業に取り組むことを決めました。

フランチャイズ支援 道筋見える安心感
開所準備や持続的な運営、療育の知識など、未知の事業の道筋を探る支えとなるのが、開所から運営までを一貫支援するデコボコベース株式会社です。
「開所申請サポートや研修が手厚く、職員全員で同じ目標に向かえると感じた」と三好園長。同社協力のもと実施した保護者説明会では、早期療育に対する保護者の意識変化も生まれました。関心の低かった保護者からも体験相談が寄せられ、開所後には保護者間でも療育施設の話題があがるようになったようです。

保護者の反応について三好園長は、「アドバイザーの方に直接説明いただけたのが大きかった」と振り返ります。「受給者証は療育に必要なパスポート。子どもがいま困っていることを捉え、将来困らないように。好きを増やしていけるように」。同社の助言を受けて職員も保護者に声かけし、その積み重ねが早期利用につながりました。

保育と療育で子どもの個性伸ばす
今回開所したのは園の敷地外。登園した在園児の利用者を車で送迎するため、一日の時間割はゆとりを持たせます。送迎時は園職員も添乗し、療育施設を見学。園と施設での様子を比べ、関わり方を園に持ち帰ることで連携を強化しています。
多様性を認め、個性を伸ばす。将来は卒園後も通える場を保育・療育一体でつくることを構想中です。
社会福祉法人揺籃福祉会 認定こども園めだかのこころ(徳島県)

開園10年を迎える徳島県徳島市のこども園。市内初となる医療的ケア児の受け入れなど、誰もが生活できる園を目指している。















