この記事のポイント
- 官民学の業界リーダーが集結したあたらしい保育イニシアチブ2023
- こども政策担当大臣が登壇した「こども未来戦略方針と保育政策」
- 参加者からの関心が集まった「AI時代の保育者・保護者パートナーシップ」
加速する少子化やAIの登場など世の中が大きな変化を迎える中、昨年に引き続き東京大学で開催された「あたらしい保育イニシアチブ2023」。こども政策担当大臣やママタレント、園経営者、有識者、企業など業界をけん引する39名が登壇し、これからの保育の未来を語る計11のセッションが行われました。
オープニングを飾ったのは「こども未来戦略方針と保育政策」。こども家庭庁の小倉將信大臣からこども誰でも通園制度や保育者の処遇改善など今後の方針が語られました。小倉大臣の「子どもの声を聞くことが政策によい影響を与え、子どもが抱える閉塞感を解決する」という言葉に対し、玉川大学の大豆生田啓友教授は「こどもまんなか社会は子どもだけでなく全ての人が幸せな社会。地域をいかに巻き込むかが重要」と園の役割についてコメントを寄せました。
時代を先取りする多様なテーマで議論
午後は三講堂に分かれ、児童発達支援事業所の開設や保育園の多機能化などのテーマで議論が交わされました。「AI時代の保育者・保護者パートナーシップ」では、保護者と保育者が尊重し合い共に子どもを育てる関係性について、東京大学の研究チームが発表。野澤祥子准教授は「保育者は保育の専門家であり保護者は我が子の専門家。開かれた園づくりと保護者の保育理解が重要」と語りました。研究発表の中でもAIを活用した保護者との会話シミュレーターには多くの参加者から関心が集まり、質疑応答から活用アイデアが生まれる場面もありました。
熱気を帯びたままに閉会した「あたらしい保育イニシアチブ2023」。業界の垣根を超えた議論の先に、保育の魅力と可能性が見えてきました。
あたらしい保育イニシアチブ
2021年6月に立ち上げられたプロジェクト。既存の制度や事業にとらわれず未来の保育ビジョンを共に描き、喜び合い、議論する場としてイベントを開催している。
https://hoiku-initiative.jp/