今回お話を伺ったのは、東京都東村山市のまりあ幼稚園様です。
お家にいる園児の皆さんのためにできることをと、先生方が立ち上がりました。
それぞれの学年に合った工作キットやお手紙を配布し、遊び方は動画配信で伝えられています。
とても素敵な取り組みだったため、インタビューをさせていただきました。
いつから試みを開始しましたか?
緊急事態宣言が出るだろうと予測し4月6日に保護者の皆さんにはまず休園になる旨をメールで伝え、6日・7日に職員で話し合い、4月10日に保護者の方に手紙を配布。その中にLINEチャットに参加して頂くようお願いをし、各学年のQRコードを付け、登録していただきました。
製作キットについて
参考にしているものはありますか?
保育カリキュラムに沿って、4月に行う予定にしていたものを中心にその他、各学年にあった家で楽しめるものを入れました。
例えば、こいのぼり製作キットや折り紙、年長さんは字や数字の練習帳などなど。
また、実際幼稚園で使用するもの(お当番表など)をお家の方に協力して作って
いただき新学期が始まったら持って来ていただくなどのことも行っています。
毎回、必ず各担任からの手書きのお手紙カードが届きます。
ちょっと遊べるおもちゃも同封しています。
動画について
動画の撮影はどのように行われていますか?
スマホやiPadで撮影しています。職員の紹介、園内の様子や園庭の遊具、配布したキットの作り方動画、子ども達と苗植えなどができなかったため、職員が苗植えをしている動画、幼稚園で唄う歌や体操など…様々なものを配信しています。
編集は誰がどのように行っていますか?
各学年で作っているので、編集も職員が自分たちで行っています。
編集のアプリは、人それぞれなので出来具合は統一されてはいませんが、工夫をして、字幕や効果音、BGMなども入り、楽しい雰囲気のものになっています。
できたものを園長、主任、事務長で確認し、気になるところがある時は撮り直しをしてもらう時もあります。(言葉遣いなど)
編集は基本、各学年の中で得意な職員が担当していることが多いようです。
最初は、時間もかかりかなり苦労していたようですが、段々慣れてきて随分編集時間も短くなってきたように感じます。
配信はどのようなソフトを使っていますか?
とにかく緊急事態宣言後、なるべく早く開始したかったため、若い先生の知恵を借り、誰もが簡単に参加でき、園関係者以外の人が見られない方法を検討しました。
悩んだ末、LINEチャットを使用することにしました。
動画を他のSNSに載せたりしないことやコメントの書き込みはしないこと、もし書き込んでも返信はしないことをお伝えし開始しました。
1か月経ちましたが、皆さまちゃんと約束を守って閲覧してくださっているようです。
保護者の反応はいかがですか?
とても好評なようです。子ども達もとても楽しみにしていてくれていて何回も見ていますとのお声はよく聞きます。
園児の反応はいかがですか?
製作キットは園児宛に送っています。
園児本人に届くという事がとても嬉しいようで、発送日以外にも「今日も届くかな…」と心待ちにしてくれているという子どもたちも多く、嬉しく思っています。
やってよかったことは何ですか?
入園式も始業式もできておらず、担任にも会えていないので、動画を通して、少し身近に感じてもらえているのではないかなと思っています。
製作キットもお家で取り組んでくれているようで、作ったものを気に入ってくれたり、少しは家で時間を過ごす上でお役に立てているのなら幸いだなと思います。
職員も分かりやすく正確な説明について考える機会になりました。
課題はありますか?
LINEなので動画は時間が経つと見られなくなってしまいます。
保護者の方が保存(Keep)をしてくださっていれば大丈夫なのですが、その旨を最初からお伝えれすればよかったかと思っています。
LINEの「ノート」に入れることも考えたのですが、3分までのものしか保存ができないので諦めました。
コロナ収束後にどのような配信を予定していますか?
6月1日から新学期開始の予定です。
保育が始まったら、動画配信は行わない予定です。
通常に戻りましたら、名残惜しいですが、LINEチャットは消す予定です。
しかし、先生からのキットの到着を心待ちにしている子どもたちの嬉しそうな笑顔が頭に浮かび、温かい気持ちになりました。
登園自粛期間がが2ヶ月以上続く地域もあるかと思います。
命を守ることに加え、心を守ること、規則正しい生活習慣を整えることも
園の再開に向けて必要なことだと感じます。
皆様も、できるところから一緒に始めてみませんか?